一味違ったBIに取り組む--テキストマイニングで定性情報を“見える化”するNRI

山下竜大(編集部)

2008-02-04 10:48

 野村総合研究所(NRI)のビジネスインテリジェンス(BI)事業部は、データ分析を中心としたコンサルティングからシステムの開発まで、幅広いBIソリューションを提供している。同事業部では1990年代より、POSデータの分析コンサルティングをはじめ、地図情報を活用した出店情報の分析システム構築や、アクセスログの解析など、データマイニング技術を中心とした分析、システムの提案を行ってきた。

 現在、BI事業部が昨今のトレンドと捉えているのは、大きく次の3つ。

  • 複数データを一元管理できるダッシュボード
  • KPI(指標)を設定したモニタリング
  • 定量情報だけでなく定性情報も含めた情報分析

 なかでも「定量情報だけでなく定性情報も含めた情報分析」にフォーカス。定性情報を分析する「テキストマイニング」の分野に関する研究開発を強力に推進している。

 BI事業部 副主任コンサルタント、神田晴彦氏は、「2008年は、これまでのBIのように、単に数値の分析を行うだけではない、テキストマイニングに向かう動きがより一層増えてくるであろうと考えている。我々のテキストマイニングに関する取り組みは、これまでのBIの流れとは一味違ったものになるだろう」と話す。

 「もちろん数値を分析してビジネス上の有益な情報を導き出すデータマイニングがなくなるわけではない。しかし、より違った側面からのBIソリューションが重要になる。実際に市場としてはデータマイニングで年間約10%の成長が見込まれているが、テキストマイニングはそれ以上に急速に成長している」(神田氏)

定性情報を“見える化”する「TRUE TELLER」

 神田氏の言う「より違った側面からのBIソリューション」とは、次のようなものだ。

 従来のBIソリューションは、売り上げや出荷台数などの数値データを分析するというものだった。しかし経営者は、数値データ以外にも、インターネット上の風評やコールセンターなどに寄せられる顧客の声などにも常に目を光らせておきたいと思っている。このような情報は特にマーケティングや品質管理の観点から、ますます重要視されつつある。

 しかし、こうした文字データは、これまで数値化されてこなかった。この文字データを数値化し、分析可能にすることをNRIでは次世代のBIソリューションに求められる機能と定義している。

NRIの神田氏 野村総合研究所のBI事業部 副主任コンサルタント、神田晴彦氏。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  4. ビジネスアプリケーション

    Microsoft 365で全てを完結しない選択、サイボウズが提示するGaroonとの連携による効果

  5. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]