デルは3月5日、2008年度の実績と2009年度の戦略について事業説明会を開催した。すでに発表されているとおり、グローバルにおけるDellの2008年度の実績は、売上高が前年度比6%増の611億ドル、営業利益は同12%増の34億4000万ドルとなっている。
Dell 日本アジア太平洋地域 統括責任者のSteve Felice氏は、同氏が担当する日本アジア太平洋地域において、2008年度第4四半期の業績が「過去最高だった」と話す。出荷台数ベースでは、コンシューマー事業が72%増、法人事業が36%増となり、製品別ではノートブックが71%増、デスクトップが30%増となった。
これは、アジア地域にインドや中国など、いわゆるBRICsと呼ばれる成長率の高い新興国が含まれていることもあるが、Felice氏によると「日本も台数ベースで17%の伸びを示した。日本での戦略がうまくいっている証拠だ」と、日本の業績に対する満足度の高さを示した。
デル日本法人で代表取締役社長を務めるJim Merritt氏も、 「日本は成熟した市場であるため、成長は鈍化しているが、まだ機会はある」と話す。2008年度には、「法人事業の売上の伸び率が市場の2倍以上だったほか、営業利益は前年比50%増となった。また、ノートブック製品の出荷台数も急速に増加した」とMerritt氏は説明する。
2009年度に注力することとしてMerritt氏は、まずエンタープライズ分野にて、「今後も『ITのシンプル化戦略』を促進し、2007年11月に買収を発表したストレージ機器メーカーEqualLogicの製品を有効活用する。また、顧客との接点を拡大させる」と述べた。中堅中小企業向けには、オンライン販売における情報やサービスの提供を充実させ、間接販売会社とのパートナーシップを構築するとした。
製品としては、ノートブックで競争力のある製品を投入し、コンシューマー分野では、これまでビックカメラやベスト電器、ソフマップ、さくらやなどの店舗にて小売販売をはじめたように、「さらなる小売パートナーシップを構築する」としている。