マイクロソフトは3月6日、主に中小規模企業、個人事業主などを対象に、メールアカウントやウェブスペース、グループウェア機能などを提供するインターネットサービス「Microsoft Office Live Small Business日本語版」(http://smallbusiness.officelive.co.jp)の正式運用を開始したと発表した。
Office Live Small Business日本語版は、2006年12月よりベータプログラムが実施されており、国内では約2万4000ユーザーが参加したという。ベータにおいては「Basics」「Essential」「Premium」の3つのコースが提供されていたが、正式サービスではこれらがすべて「Office Live Small Business」の1コースに集約され、当初、有料コースでのみ提供される予定だった顧客管理システム、グループウェア(GroupBoard)機能なども、無料で提供されることになった。
一方、有料のオプション機能として提供されるのは、独自ドメインの取得と利用(初年度のみ無料)、ストレージ容量追加、ユーザーアカウントの追加、および現在ベータ版として提供されている「E-mail Marketing」となる。
独自ドメインの取得と利用については、ベータプログラムでは無料で提供されていたが、ユーザーからのフィードバックをもとに需要が低いと判断してオプション化したという。なお、ベータプログラムでドメインを取得したユーザーに関しては、今後も引き続き更新料をマイクロソフトが負担する。
また、標準機能に含まれるメールアカウントは100個まで(各5Gバイト)、専用ワークスペースは50Mバイト、ワークスペース用ユーザーアカウントは5名分までとなった。ベータプログラムで「Essencial」「Premium」を利用していたユーザーが引き続き正式サービスを使う場合は、6月1日より、それぞれ2690円/月、5490円/月の課金が発生する。
正式サービスにおいては、本来オプションとなる予定だった、Contact Manager(顧客管理機能)や、GroupBoard(グループウェア)が標準機能になった点が特徴的だ。ウェブサイトやメールといった社外に対する情報発信ツールに加えて、社内での情報共有ツールも無料で提供していくことになる。収益モデルは、オプションへの課金と、Microsoft Digital Advertising Solutionによる広告配信のハイブリッドである。
マイクロソフト、インフォメーションワーカービジネス本部シニアプロダクトマネージャの鍵山仁一氏は、個人ユーザーにおけるネット利用が進んでいるにもかかわらず、小規模ビジネスの世界においてはインターネットが十分に生かされていないという同社の調査結果を示した。2006年に実施されたその調査によると、従業員20名以下の企業および個人事業主において、PCの所有率が96%、ブロードバンドへの接続率が68.8%にのぼるにもかかわらず、ホームページを持っているのは30.2%、自社ドメインの電子メールアドレスを所有しているのは14.5%にとどまっていたという。Office Live Small Businessでは、「個人が既に十分に利用しているPCやインターネットを、中小企業や個人事業主がビジネス的なマインドで活用することを支援する機能とサポートを提供していく」(鍵山氏)とした。
なお、既に米国ではベータテストが始まっているOffice Liveの文書共有サービス「Microsoft Office Live Workspace」の日本語版については、年内に何らかの発表を行う予定という。