マイクロソフト、Office Live Small Businessの有償バージョンを廃止

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:菊地千枝子

2008-02-12 16:45

 Microsoftは米国時間2月11日、「Office Live Small Business」製品の既存の3バージョンをひとつに統合し、このひとつのバージョンを無料で提供すると発表した。

 Office Live Small Businessは、ウェブベースのサービスの一式であり、従業員が10名以下の企業を対象とし、「Microsoft Office」を補完することを意図したものである。Microsoftはこのサービスの最初のバージョンを2006年10月に開始し、それ以来3種類が提供されていた:無料のエントリレベルの製品(Office Live Small Business Essentials)、1カ月あたり19.95ドルのミドルレンジのサービス(Office Live Small Business Essentials)、そして1カ月あたり39.95ドルのハイエンドサービス(Office Live Small Business Premium)である。

 今後は、ひとつの統合された無料サービス「Office Live Small Business」が登場し、これまでの3つのSKUに取って代わる。しかしMicrosoftはこの無料SKUに、毎月の契約料を徴収してアドオンサービスを提供する予定である。

 このような有料サービスのひとつとして、ホステッド電子商取引サービスの「Store Manager」が1カ月当たり39.95ドルで提供される。これは顧客が各自のサイトのほか「eBay」から製品を販売する手助けをするものである。(Microsoftは他の電子商取引サイトを将来のリリースでサポートする計画であると同社関係者は述べている。)他の例としては:カスタムドメイン名や電子メールのサポートで、顧客にプライベートドメイン名登録を提供するほか、各々5Gバイトのストレージを備えた100の企業ブランドによる電子メールアドレスを提供するものである。Microsoftはこのサービスを初年度は無料で、それ以降は年間14.95ドルで提供する予定だ。

  Microsoft関係者は、Office Live Small Businessの有料SKUを、顧客からのフィードバックを踏まえて中止する決定を下したと述べている。Microsoftが最初にこのサービスを開始した際には、顧客は選択肢があることを望んでいたと、MicrosoftのBaris Cetinok氏(Office Live Small Businessの製品管理マーケティングディレクター)は主張している。Microsoftが刷新されたOffice Live Small Businessのラインナップに取り組んでいるときに、顧客はSKUが多すぎるのは紛らわしく、もっとシンプルで簡易化されたサービスを好むと述べていた。

 新たにひとつとなったOffice Live Small BusinessのSKUは、11日から顧客に提供され始めるが、同製品は「Firefox 2.0」へのサポートと、「Microsoft Office Outlook」とのシンクロ化を加えた。Microsoftはまた、顧客に対して電子メールマーケティングサービスのベータ版を提供する。これはOffice Live Small Businessの顧客が(ベータテスト期間中は)無料で最高200件の電子メールをプロモーション目的で各社の顧客に送信することを可能とさせるものである。

 現時点では、MicrosoftのOffice Liveのラインナップは以下のとおりとなっている:

 消費者向け:「Office Live Workspace」。Officeユーザーがオンライン上で文書を共有し、共同作業することを可能とするサービス。

 小規模企業向け:「Office Live Small Business」。

 エンタープライズユーザー向け:「Office Online」。大手ユーザーのためのMicrosoftのホステッドサービスのライン。成長している。これには「Office Exchange Online」「Office SharePoint Online」「Office Communications Online」が含まれる。

 Microsoft関係者は、Office Liveファミリーが今後数年内にMicrosoftの最大かつ最も繁栄した製品ラインとして浮上すると予想している。しかしこれまでのところ、これらのサービスが一世を風靡する様子はみられない。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    ChatGPTに関連する詐欺が大幅に増加、パロアルトの調査結果に見るマルウェアの現状

  2. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  3. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  4. セキュリティ

    いま製造業がランサムウェアに狙われている!その被害の実態と実施すべき対策について知る

  5. セキュリティ

    VPNの欠点を理解し、ハイブリッドインフラを支えるゼロトラストの有効性を確認する

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]