こうした食い違いにはもう1つの理由がある。従業員は採用されなかったアイデアについてフィードバックを得られないことが多い。ビジネスの本質からして、変革を生み出すアイデアのうちの少数しか採用できない。さもなければ事業計画を毎週書き換えなければならなくなる。この理由から従業員にアイデアが採用されなかった理由を知らせることは、アイデアが実施されたときに報酬を与えるのと同様に重要なのである。
「アイデアを提案したときに何もフィードバックを得られないと、不信感を持つようになる」と著述家のMichael Abrashoff氏は言う。「採用されない理由についてフィードバックがないと、アイデアを聞いてももらえなかったのだという印象を与えることになる。あるアイデアが採用されない明確な理由を伝えるのは何も言わないより良い」(Abrashoff氏)
第3部:世代ギャップを理解する
CEOに対する中途半端な評価は、ベビーブーマー世代が多い経営陣の上層部とジェネレーションXやジェネレーションYに属する従業員やマネージャーとの間に横たわる世代ギャップを示しているのかもしれない。複数の専門家が、若い世代の従業員は独裁的なリーダーシップよりも部下の育成に重点を置くリーダーシップを期待していると指摘した。
「古い指揮統制型の経営スタイルは有効ではなくなった」とVistage InternationalのCEOであるRafael Pastor氏は指摘する。「CEOは会社組織の強さを頼みに物事を推進することはできなくなっている。若い世代の従業員は、彼らの親の世代が期待していなかったレベルの協働や意思疎通を求めているのである」(Pastor氏)
著述家のMichael Abrashoff氏も次のように言い添える。「現代の若い世代は、新しい種類の経営スキルを求めている。彼らは、あなたが特定の方法で仕事を進めている理由を知りたがり、その理由を理解した場合に限ってプロジェクトを受け入れる」(Abrashoff氏)
これはジェネレーションXやジェネレーションYの従業員が優れたチームプレーヤーになる素質がないとか、会社のことを考えていないとかいう意味ではない。CEOと話をする機会があったらどのような話題について話し合いたいかと尋ねてみると、従業員は世代を問わず、それほど自分の利益ばかりを考えているわけではないことがわかった。半分以上の従業員がCEOと会社の長期的なビジョンや戦略について話をしたいと答えた。自分の個人的なキャリアの見通しや給与について話し合いたいと答えた従業員は4分の1に満たなかった。
CEOが最も価値を置いている資質は何だと思うかという質問に対しては、世代を問わず大多数の従業員が「品位」「結果を出すこと」「革新的な考え方」「誠実さ」「機略縦横」といった答えを選んだ。CEOがお世辞のうまい人間やご機嫌取りを高く評価すると考えている従業員は10人に1人に満たなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ