ネットスイートは5月1日、同社のSaaS型統合業務アプリケーションスイートの最新版「NetSuite Version 2008.1日本版」の提供を開始すると発表した。
NetSuiteは、CRM、ERP、電子商取引システム、BIを実現するための各種アプリケーションと開発プラットフォームを備えた業務アプリケーションスイート。それぞれのアプリケーションは単一のデータベース上で動作するため、システム統合が容易で、かつサブスクリプション形式のSaaSとして提供されるため、特に中堅中小規模企業での迅速で安価な導入に向いているという。
新バージョンである「NetSuite Version 2008.1日本版」では、監査証跡機能の強化、インフォメーションダッシュボードの装備といったアプリケーションベースでの多数の機能強化が行われた。また、カスタマイズ用開発プラットフォーム「SuiteFlex」の機能も強化されている。これまでベータ版として提供されていたスクリプトデバッガも正式リリース版として提供される。
これらに加え、新バージョンでは「NetSuite OneWorld」と呼ばれるワールドワイドでのビジネス管理に対応するオプションモジュールの利用が可能になった点が大きな特徴だ。NetSuite OneWorldは、特に多国籍ビジネスを手がける企業を対象に、NetSuiteの単一プラットフォーム上で各国向けにローカライズされたユーザーインターフェース、通貨対応、会計・顧客管理を中心としたビジネス全体のマネジメントツールを提供するオプションである。
ネットスイート、上席執行役員の高沢冬樹氏は、「企業に点在する業務アプリケーションパッケージの統合には膨大な手間と費用がかかる。グローバル展開する企業であればなおさら。OneWorldによって、企業は容易にリアルタイムでグローバルでのビジネスを管理できる」と説明する。発表会では、グローバル企業での利用を想定し、米国本社、日本法人、APAC担当の各ユーザーがOneWorld上でそれぞれ業務に必要な情報をブラウザから入力、参照する様子がデモされた。先行導入の事例もいくつかあり、たとえばSixApartでは、約6週間で米国本社と東京オフィスのシステム統合を実現したという。NetSuite OneWorldの価格は27万5000円/月。