デルは5月13日、仮想化関連事業の強化に関する記者発表を行った。同日に仮想化環境向けに最適化されたサーバ新製品2機種を発売したほか、新たな仮想化ソフトウェアのOEM提供、ストレージアセスメントサービスの開始などで、顧客企業の仮想化導入を強力に支援するという。
2機種のサーバ新製品「PowerEdge R805」「PowerEdge R905」は、いずれもAMDのクアッドコアOpteronプロセッサを搭載可能なもの。R805は、AMD Opteron 2300および2200シリーズを2基搭載でき、16個のDIMMスロットに最大128Gバイトメモリを搭載できる。R905は、AMD Opteron 8000シリーズを4基搭載でき、32個のDIMMスロットに最大256Gバイトメモリが搭載可能となっている。また、いずれもギガビットイーサネットを4ポート備えるなど、仮想化環境で使用するシステムに対応可能な拡張性を持つ。
また、R805、R905のいずれにおいても、筐体内部にSDカードスロットを備えている点も特徴だ。デルでは、サーバ仮想化ソフトウェアとして従来からOEMとして提供していたVMware ESXに加え、今後新たにVMware ESXiおよびCitrix XenServerの提供を開始することも発表。この新機種において、VMware ESXiおよびCitrix XenServerは、SDカードスロット上のメディアにインストールされた状態での提供が可能となっている(他機種においてはUSB接続のフラッシュメディアもしくはHDDインストールの形態で提供)。
価格は、PowerEdge R805が53万7600円より。PowerEdge R905が81万7950円より。
アセスメントサービスも強化
合わせてデルでは、従来から行っていた「仮想化アセスメントサービス」に加えて、5月下旬より、仮想化環境の導入に伴って影響を受ける、ストレージに関連したアセスメントサービスを開始すると発表した。
一般的に仮想化環境の導入においては、仮想化ソフトウェアの導入に加えて、ストレージの統合やアプリケーションごとのストレージ利用量の再割り当てを行う必要がある。このサービスでは各アプリケーションが使用しているストレージ容量を評価し、仮想化環境への移行時に適切なストレージ環境を導入するための情報を提供するという。具体的には、ストレージ利用状況の調査、拡張要求に関する実現性の分析、バックアップ・リカバリの機能評価、仮想化構成案の提示といった内容だ。
デル執行役員アドバンスド・システムズ・グループ本部本部長の町田栄作氏は、ITの複雑さやコストからの解放という顧客企業のニーズに対し「仮想化の実現が新たな価値を提供する」と、デルにおける仮想化関連ビジネスの重要性を強調。「製品だけでなく、アライアンス、ソリューションサービスなどを通じてエンド・トゥ・エンドで仮想化の価値を提供していく」とした。