Microsoftは米国時間8月19日、企業が、仮想マシン内で実行中のサーバソフトウェアを、1つの物理サーバから別の物理サーバへとシームレスに移動させられるようにする、ライセンスポリシーの変更を発表した。
すでに予想されていた通り、今回のライセンスポリシーの変更によって、サーバファーム内の物理サーバ間でも、ソフトウェア利用の移動を制限していた条項が取り除かれた。以前のライセンスポリシーでは、そのような移動が認められるのは、90日以内に1度だけであった。だが、もっと必要に応じて柔軟な移動を可能にすることを目指す、VMwareや他の企業が提供するソフトウェアにとっては、これが足かせになっていた。
MicrosoftのシニアディレクターであるZane Adam氏は、今回の発表声明の中で、「多くの企業が、よりダイナミックなITオペレーションを行い、基礎戦略として仮想化を検討すべく、ステップを踏み出そうとしている。この現状をMicrosoftも認識しており、顧客の仮想環境利用をサポートするため、ライセンスポリシー、製品サポート、その他の広範囲に及ぶITソリューションの革新を進めている」と述べた。
今回の変更は、「SQL Server 2008」エンタープライズ版、「Exchange Server 2007」スタンダード版およびエンタープライズ版、「Microsoft Office SharePoint Server 2007」および「Microsoft System Center」製品群など、全41種類のサーバ製品に適用される。
Microsoftは、他社の仮想化エンジン内でソフトウェアを稼動させている企業へのサポート拡大も計画している。今回の変更により、Microsoftは、VMware、Cisco Systems、Citrix、Novell、Sun Microsystems、Virtual Ironの仮想マシン内で動作している自社ソフトウェアも、非仮想環境で動作しているかのごとく、サポート可能になる。
以前は、例えば、VMwareでMicrosoftのソフトウェアを稼動させている顧客がトラブルを抱えても、Microsoftからのテクニカルサポートを受けるには、その問題を、VMwareの環境外で再現してみせるように求められた。
Microsoftは、これまでかなりの期間、サーバソフトウェアが仮想マシン内で稼動することが多くなっている状況を受けて、価格設定方針の変更にも努めてきた。
Microsoftは、シアトル地域において9月8日に開催予定のイベントで、さらなる仮想化の最新情報を明らかにする予定である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ