Windows Vistaの発売から1年半以上が経過した今、新OSへの移行はどの程度進んでいるのだろうか。Forrester Researchでは、Vista発売以降随時同OSへの移行について調査しているが、この8月に発表したレポートでは、ようやくWindows OSにおけるVistaのシェアが8.8%にのぼったとしている。
Vista移行について調査を続けているのは、Forrester ResearchのアナリストBenjamin Gray氏だ。同氏が8月に発表したレポート「Corporate Desktop Operating System Trends, Q4 2007 Through Q2 2008」は、2007年10月から2008年6月までの期間にForresterのサイトを訪問した5万以上の企業ユーザーのデスクトップ環境を分析したものだ。8.8%というVistaのシェアは、2008年6月時点の調査によるもの。同時期のWindows XPのシェアは87.1%と、依然高い数字になっている。
「Vistaへの移行は、Microsoftの思うようには進んでいない」と、Gray氏は言う。Gray氏は2007年11月にも「How Windows Vista Will Shake Up The State Of The Enterprise Operating System」というレポートを発表し、企業のVista導入の意向を調査していた。その際には、2008年末までに導入したいと考えている企業が全体の約30%を占めていた。現在のVistaのシェアが8.8%という事実からすると、2008年末までに約30%の企業がVistaを導入するとは考えにくい。
ただしGray氏は、「私が顧客と話している印象では、今から2009年の初め頃には約半数の企業がVistaへの移行を考えるのではないかと感じている」と話す。また、以前はWindows 2000からVistaへの移行が多かったが、「今ではXPからVistaへの置き換えも増えてきている」と述べ、古くなりすぎてしまった2000のようなOSからVistaへの移行を進めていた時代から、計画的に移行を考える企業が増えてきたと見ているようだ。