インテルは10月8日、ビジネスPC向けのプラットフォーム「インテルvProテクノロジー」の第3世代を発表した。vProは、セキュリティや運用管理、電力コストなど、IT部門が抱える課題を解決するプラットフォームとしてインテルが推進するものだ。
Intel デジタル・エンタープライズ事業本部 副社長 兼 デジタルオフィス・プラットフォーム事業部長のGregory Bryant氏は、「セキュリティと運用管理、電力コストという3つの課題は、vProの第1世代を発表した2006年よりも今のほうがずっと大きな問題となっている。セキュリティの脅威は日々高まり、コンプライアンス対応も厳しくなった。また、エネルギーコストも上昇している」と述べ、vProの重要性を強調した。
第3世代のvProで新しく追加された機能のひとつに、ファイアウォールの外からでもPCの管理ができることがある。遠隔アラート機能を利用すれば、PCの電源がオフになっている場合や設定されたパラメーターに適応しない状況に直面した場合でもPCの遠隔サポートが可能だ。また、リモートスケジュールドメンテナンス機能により、定期保守用プログラムが組み込まれたPCが自動的にIT管理プログラムを実行できるようになる。
セキュリティ機能としては、新たにアクセスモニター機能が追加された。これにより、システムの操作ログが管理できるようになった。また、マイクロソフトのネットワークアクセス保護(NAP)を用いたPC認証用組み込み技術を搭載した。
さらにインテルは、中小企業向けソリューションとして「インテルIT Director」という管理ツールをリリースする。これはvPro対応のツールで、資産管理やバックアップ、ハードディスクの容量管理などが可能となるもの。日本語版は2009年第1四半期にも提供される予定だ。
第3世代のvProは、「Core 2 Quad」および「Core 2 Duo」プロセッサと、「インテルQ45 Expressチップセット」、「インテル82567LMギガビット・ネットワーク・コネクション」で構成される。発表会場では、PCメーカー8社が新しいvPro搭載のPCを展示していた。
その中で東芝は、vProの仮想化機能を活用して開発した仮想化エンジン「vRas」(Virtual Platform with Reliability, Availability, and Serviceability)を披露した。このエンジンを使えば、ひとつのPC上でクライアント環境と仮想サーバ環境を共存させることが可能だ。つまり、管理者が仮想環境でPCを管理する傍ら、ユーザーは普通のPCと同様の使い勝手で作業ができるようになる。東芝では、vRasが搭載されたPCを2009年1月以降に発売する予定だ。