セールスフォース・ドットコムとオービックビジネスコンサルタント(OBC)は10月15日、両社の製品を連携させ、中堅・中小企業向けに提供することで合意したと発表した。
両社の主力製品とは、セールスフォースの「Salesforce CRM」と、OBCの「奉行 V ERPシリーズ」だ。この連携ソリューションを短期間かつ低コストで提供し、取引先情報や売上情報などのデータを包括的に管理できるようにする。
セールスフォース・ドットコム 代表取締役社長の宇陀栄次氏は、「顧客管理システムと会計システムを連携させたいというニーズはこれまでにも高かった。しかし、中小企業向けにこのようなシステムを提供するケースはなかった」と述べ、今回の両社の連携が中小企業によりよいソリューションを提供することになると説明した。
OBC 代表取締役社長の和田成史氏は、「これまで奉行はさまざまな時代にあったイノベーションを遂げてきたが、今はクラウドコンピューティングの流れの中に奉行が溶け込むことが次のイノベーションだと感じている」と述べ、SaaS(Software as a Service)プロバイダの先駆けともいえるセールスフォースと協業することの意義を語った。
「日本の中小企業にとって、信頼でき、価値のあるサービスを提供したい。その面で、OBCから学ぶべきことは多い」と宇陀氏。両社の提携は排他的なものではないというが、「当面はまず1社としっかり組んで、成功を収めたい。次の展開はそれからだ」と宇陀氏は述べた。
今後の展開としては、顧客やパートナーと共同で、Salesforceの開発基盤「Force.com」を活用した新しいアプリケーションを開発することや、OBCの既存顧客約8万社とセールスフォースの国内既存顧客約1000社およびグローバルの顧客を対象に、営業案件の共有プロセスを強化することなどを視野に入れている。