先日開催されたInform 2008では最初のEvolveコンポーネントとして「My Day」と「Infor Decision」の提供が発表された。これらはともに、様々なアプリケーションを横断的に統合するフロントエンドのインターフェースとして機能する。また、フロントエンドだけでなく、複数のアプリケーションが持つデータを統合するマスターデータを管理するコンポーネントなども提供される予定だ。
Evolveコンポーネントが特徴的なのはそのライセンス体系だ。Infor ERP(LN・LXなど)やSCMといった同社のアプリケーションライセンスを購入していれば、同じユーザー数までは無償で利用できる。Open SOAそのものもアプリケーションに付属する形で提供されるため、実質的にはすべての既存Inforユーザーが無償で、しかも、簡単な導入でこうしたコンポーネントの機能にアクセスできることになる。
今後も同社は買収によるアプリケーションの拡充を行う。こうしたアプリケーションすべてに、同社が投資したR&Dの成果をEvolveコンポーネントとして無償でアクセスできる。
Inforはこれまでも買収による成長を続けてきた。これまでは言ってみれば製品をそろえ、それぞれの機能強化を行う一方で、Inforが多くのアプリケーションを持つことによる相乗効果が限定されていた。しかし、Open SOA、さらにはEvolveコンポーネントの提供により、Inforならではのメリットがいよいよ目に見えることになる。しかも、繰り返しだが、無償だ。