プロジェクトの遅れを取り戻す方法10選 - (page 2)

文:Tom Mochal(TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子

2008-12-02 08:00

#3:すべての依存関係を入念に確認する

 スケジュール上の依存関係によって、各作業を完了させていくための順序を洗い出すことができる。例えば、あなたが家を建てているとしよう。基礎コンクリートが流し込まれても、それが乾かないうちは柱を建て始めるわけにはいかない。プロジェクトが納期遅延に向かって進んでいる場合には、作業間の依存関係を誤って捉えているためにスケジュール遅延が発生していることも考えられるため、依存関係を再確認すべきである。依存関係を誤って捉えていることで、並行して行えるはずの作業を逐次的に行うようにスケジューリングしてしまっている可能性もあるのだ。

 スケジューリングソフトウェアを使っている場合、誤って依存関係を付加してしまうこともある。また、レビューを行えば存在しないと判断できるような依存関係が、プロジェクトマネージャーによって付加されることもある。このため、チームメンバーにスケジュールをレビューしてもらうことで、プロジェクトマネージャーが必要であると考えていた依存関係の中に不要なものが含まれていないかどうかをチェックすることも理に適っているはずである。プロジェクトの遅れを取り戻すための思い切った対策を取る前にすべての依存関係をチェックし、すべての事実を正しく把握できているかどうかを確認しておくべきである。

#4:一定の時間を必要とする作業を把握しておく

 一定の時間を必要とする作業とは、割り当てられるリソースの量によってその作業時間が変化しないものをいう。例えば、5日間の研修にチームメンバーを参加させることになったと考えてほしい。その研修は、参加するメンバーが1人であろうと10人であろうと、5日間という期間を要するのである。一定の時間を必要とするこういった作業すべてを把握し、その期間を検証する必要がある。作業に対して異なるアプローチを採ることで、あなたの前提が変わってくることも考えられる。例えば、契約書を顧客に郵送する場合に送付日数が3日間だと想定しているのであれば、追加料金を支払って翌日配達にすることでその期間を1日に短縮することも可能である。

#5:リソースを入れ替える

 スケジュールに遅れが生じてきている場合、まず原因を突き止めるべきであるという点は既に述べた。そういった原因の1つとして、当初想定していたほどの生産性を達成していないリソースの存在を挙げることができる。また、特定のチームメンバーが適切なスキルを有していないという場合もある。あるいは、現在従事している分野において、他の分野ほどの生産性を上げられない要員がいる場合もある。いずれにせよ、リソースを入れ替えることができるかもしれない。場合によっては該当要員を、同一プロジェクト内の他の要員と入れ替えるだけで済むかもしれない。あるいは、該当要員をチームから外し、新たな人材を投入する必要があるかもしれない。

 クリティカルパス上にある作業が鍵となることを忘れてはいけない。そういった作業に生産性の高いリソースを割り当てる一方、生産性の低いリソースをクリティカルパス上にない作業に再割り当てするような選択も可能なはずである。クリティカルパス上にない作業が遅れたとしても、プロジェクト全体の納期を守るという点ではまだ大丈夫ということもあるのだ。

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