将来的にはストレージにもクラウドが
そして同氏は、2008年に様々な話題に上ったものの、つかみ所のないバズワード「クラウド」がストレージにもやってくるとする。
まず、ストレージもほかのITと同じく”持つ”のではなく、ユーティリティとして”使う”時代が来るのは確実とする。しかし、本格的な浸透に10年はかかるだろうともする。問題は、サービスの一貫性のなさ、大企業にとって不十分な契約、そして潜在的なリスクの把握とコントロールだ。また、サービス提供者側にもスケーラブルなストレージをいかに構築するかという問題がある(ここでは先述のクラスター型のストレージが役に立つだろう)。
こうした中でもクラウドストレージは徐々に進むというのが同氏の考え。「まずはバックアップ用途に使われ始めるだろう。バックアップは企業の外、できるだけ異なる環境の元に置かなければならないが、これにはコストがかかる。最初にクラウドを使ってみるには最適」と同氏。
いずれにしても……

最後に同氏は、「いずれにしても、不況でコストがないからといって、ストレージにドラスティックな変更を急に加えるのは危険。コストカットの特効薬はない。なぜなら、変更プランをたてること自体にコストがかかってしまうからだ」と注意を促す。
まずはストレージに関して、ただただダムのようにデータをためておくだけのものではなく、ビジネスとともに常に成長を続ける企業にとって重要なプラットフォームであることを認識し、慎重に戦略を策定することが大切だ。