#5:セキュリティ
最近の「PWN to OWN」競争では、Mac OS X機とWindows Vista機がハックされているものの、Linux機はその対象外となっている。もちろん、こういったことに関しては、世界中にいる数多くの専門家たちが、いずれかの陣営の観点から議論しているため、先入観の入っていない結論に到達することは、大昔から議論されているTCO(総所有コスト)に関する決定的な答えを見つけ出すことと同じくらい難しいはずだ。しかし、私は10年以上Linuxを使ってきたが、マシンやサーバに侵入されたことは一度もないと断言することができる。もちろんこの事実をもってして、Mac OS Xがセキュアでないということになるわけではない。しかしセキュリティ面において、Linuxにはより優れた備えがなされているのだ。どういうことかって?その答えはツールにある。iptablesやfwbuilderといったツールとSELinuxを用いることで、Linuxは様々なレベルでのロックダウンを様々な方法で実現できるのだ。このため、他のLinuxディストリビューションでも、こういったカーネルレベルのツールを追加することで、セキュリティレベルを強化することができるはずだ。このことから、セキュリティ面においてLinuxがMac OS Xを凌駕しているということを理解してもらえるはずだ。
#6:ポータビリティ
Linuxは、ハードウェアからハードウェアにインストールを移行する能力についても、その他すべてのOSよりも優れている。Linuxにはポータビリティを高める不思議な力が備わっている。私は、2つのマシン間でハードディスクをそっくりそのまま差し替えたことがある。アーキテクチャが同じである限り(つまりx86マシンとx86_64マシン間の差し替えでない限り)、ほとんど調整を必要としないか、場合によってはまったく調整せずに差し替えを完了することができたと言える。一方、Mac OS Xはインストールされているマシンに釘付けされた状態となる。また、Linuxでは特定のディレクトリをマシン間で移動させることもできる。これは/homeディレクトリでもうまく機能する。マシン間で/homeディレクトリを移動させることにより、マシンの設定が一瞬で完了するわけだ。Mac OS Xの場合は、常に最初からインストールをやり直す羽目になるのだ。
#7:コスト
これは多くの人々にとって重要であるはずだ。まず最初にOS単体のコストを挙げることができるだろう。Linuxは無料だ。それだけだ。一方、Mac OS Xは現在129ドルで販売されている。次にハードウェアのコストを見てみることにしよう。最も安価なMacBookは999ドルである。一方、Linuxを稼働させることのできるノートPCはどのような小売店でも399ドルもあれば購入できる。Macの場合、必要なソフトウェアのコストも結構な金額になるはずだ。Linuxの場合はどうなんだって?無料なのだ。ハードウェア代だけで、職場においてたいていの作業をこなすことのできるLinuxマシンが手に入るのだ。Macの場合はどうなんだって?こんな風には行かないだろう。つまり、コストを削減したいと思うのであれば(この不況下では、コストを削減したくないという人などいないだろう)、Linuxが選択肢となるはずだ。