日本HPがx86サーバを大幅値下げ--「2009年はIT業界の正念場」

藤本京子(編集部)

2009-01-08 18:16

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は1月8日、x86サーバ事業の戦略説明会を開催した。2008年の同社のx86サーバ事業のテーマは「日本を進化させるサーバ」だったが、2009年は「日本を変革するサーバ」として事業を推進する。

 日本HP 執行役員 エンタープライズ ストレージ・サーバ事業統括の松本芳武氏は、IDC Japanによる緊急ユーザー調査から、多くの企業が人件費と広告費用に次いでIT投資予算を削減しようと考えている事実に触れ、「2009年はIT業界の正念場だ」と警告する。ただし、松本氏は「実際には、IT投資をすることで企業の生産性は高まる」と述べ、「そのことを証明していかなくては」としている。

松本氏 日本HP 執行役員 エンタープライズ ストレージ・サーバ事業統括 松本芳武氏

 IT投資の削減を考える企業が多い中、HPが打ち出した施策は3つだ。それは、中堅中小企業や地方エリアでの販売支援体制を強化すること、パートナーの提案型営業を支援する営業人材育成プログラムを新設すること、そしてサーバとストレージ製品の価格を値下げすることだ。

 まず、中堅企業向けには、大企業向けの直販営業担当者数十名を中堅企業向けへと配置転換させる。また、中国地方と東北地方に直販営業とパートナー営業を配置するほか、関西圏に中堅企業専属の営業部門を新設する。

 営業の人材育成に関しては、上・中級営業向けの資格「ASC(Accredited Sales Consultant)」と、初級営業向けの資格「ASP(Accredited Sales Professional)」を新設し、システムの導入・運用上のメリットを提案できる提案型営業(コンサルタント)を育成する。同社では、2009年度末までに300人の資格認定者を育成する予定だとしている。

 製品の値下げは同日より開始し、「HP ProLiant」、「HP BladeSystem」および「HP StorageWorks」製品575製品において、平均20%、最大67%減の価格改定を実施する。例えば、HP ProLiant DL360 G5(2P)+DVD-ROM、P400i/256Controller、146GB SASx2、標準2GBメモリ+2GBでは、改定前の価格が100万9050円だったのが改定後は69万7200円となる。

 日本HP エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 本部長の橘一徳氏は、こうした施策で「投資効果の高いITを普及させ、日本企業の成長に貢献したい」と述べており、「国内x86サーバ市場のシェア30%、国内x86ブレード市場シェア50%をねらう」とした。

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