Appleは米国時間1月21日、QuickTime 7.6をリリースした。このバージョンでは、少なくとも7件の, Mac OS XおよびWindowsユーザーをリモートからのコード実行攻撃にさらすセキュリティホールを修正している。
この最新のアップグレードは、Mac OS X v10.4.9〜v10.4.11、Mac OS X v10.5以降、Windows VistaおよびWindows XP SP2とSP3で提供されるもので、悪意のあるURLやブービートラップのある動画や音楽ファイルを通じて悪用される可能性のある脆弱性を修正している。
以下にその概要を示す。
- CVE-2009-0001:QuickTimeのRTSPのURLの処理に、ヒープバッファオーバーフローの脆弱性が存在する。悪意を持って作成されたRTSPのURLにアクセスした場合、予期しないアプリケーションの終了や任意のコード実行につながる可能性がある。
- CVE-2009-0002:QuickTimeが持つQTVR(QuickTime Virtual Reality)動画ファイムのTHKDアトムの処理に、ヒープバッファオーバーフローの脆弱性が存在する。悪意を持って作成されたQTVRファイルを再生した場合、予期しないアプリケーションの終了や任意のコード実行につながる可能性がある。今回のアップデートでは、境界チェックの処理を改善することによってこの問題を解決している。
- CVE-2009-0003:AVI動画ファイルを処理する際に、ヒープバッファオーバーフローが生じる場合がある。悪意を持って作成されたAVI動画ファイルを開くと、予期しないアプリケーションの終了や任意のコード実行につながる可能性がある。
- CVE-2009-0004:MP3の音声コンテンツを持つMPEG-2動画ファイルの処理に、バッファオーバーフローの脆弱性が存在する。悪意を持って作成された動画ファイルを再生すると、予期しないアプリケーションの終了や任意のコード実行につながる可能性がある。
- CVE-2009-0005:QuickTimeが持つH.263でエンコードされた動画ファイルの処理に、メモリ破壊の脆弱性が存在する。悪意を持って作成された動画ファイルを再生すると、予期しないアプリケーションの終了や任意のコード実行につながる可能性がある。
- CVE-2009-0006:QuickTimeのCinepackエンコーディングを使った動画ファイルの処理に、符号属性の問題が存在し、ヒープバッファオーバーフローを引き起こす可能性がある。悪意を持って作成された動画ファイルを再生すると、予期しないアプリケーションの終了や任意のコード実行につながる可能性がある。
- CVE-2009-0007:QuickTimeが持つQuickTime動画ファイルのjpegアトムの処理に、ヒープバッファオーバーフローの脆弱性が存在する。悪意を持って作成された動画ファイルを再生すると、予期しないアプリケーションの終了や任意のコード実行につながる可能性がある。
このパッチは、Mac OS Xのソフトウェア・アップデートおよびWindows XPとVistaの自動アップデートツールを通じて提供される。また、QuickTime 7.6はQuickTimeのダウンロードサイトからも入手できる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ