Microsoftは、AppleやNokiaなどのライバル企業も含めほぼすべての企業に対し、同社が持つ専門技術をライセンス提供している。
さらに、Microsoftは米国時間2月9日、技術提供の対象企業リストにGoogleが加わったことを発表した。検索大手のGoogleは、同日発表された新製品「Google Sync」の機能強化を目的に、サーバーと携帯電話の間で情報を共有する「Microsoft Exchange ActiveSync」プロトコルのライセンスを得た。
Google Syncでは連絡先を同期できるほか、Googleによるウェブベースのサービスを利用してカレンダー情報の同期が可能となる機種もある。対応するのは、Microsoftの「Windows Mobile」、Appleの「iPhone」、Research in Motion(RIM)の「BlackBerry」、およびNokiaやSony Ericsson製の携帯電話など、さまざまなスマートフォンだ。
通常、企業がActiveSyncプロトコルのライセンスを得るのは、携帯電話と「Microsoft Exchange」サーバー間におけるデータ接続を目的とする。だが今回の場合、Googleはデータを自社サーバーから携帯電話に接続するためにActiveSyncを利用する。
GoogleとMicrosoftはこれまでもいくつかの分野で協業してきたが、Microsoftによれば、今回の契約は、どちらかの企業の知的所有権をもう一方の企業にライセンス提供する初めての例になるという。
Microsoftの知的所有権担当弁護士であるHoracio Gutierrez氏は、この動きを高く評価する。
「Googleが、Microsoft Exchange ActiveSyncプロトコルに関するこれらMicrosoftによる特許のライセンスを得るということは、現在Microsoftで起きている革新を明確に示すものだ」と、Gutierrez氏は声明の中で述べている。「今回の合意はまた、公正かつ適切な条件の下、ライセンスを受ける企業がMicrosoftの知的所有権を尊重する限りにおいて、われわれの特許を広くライセンス供与するというMicrosoftのオープン性を示す好例ともいえる」
Gutierrez氏によれば、Microsoftは2003年に自社の知的所有権の共有推進プログラムを開始して以来、500件以上のライセンス契約を締結してきたという。
筆者が思い浮かぶところでは、Microsoftと何らかの契約を交わしていない大手IT企業といえば、残っているのはOracleとRed Hatあたりだろうか。他にもリストに載せるべき大手企業はあるだろうか?
更新情報(太平洋標準時14時5分):GoogleとMicrosoftによる今回の契約では、「Google Android」搭載デバイスでもExchangeによる同期が可能か確認してみようと思い立った。Microsoftの担当者がCNET Newsに述べたところによれば、「今回の合意ではAndroidには対応しない」とのことだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ