IBMと同社のビジネスパートナーであるJuniper Networksは、ハイブリッドのネットワーク型サービスを発表した。
「プライベートクラウド(インターネットをモデルとした社内ネットワークサービス)」を利用する企業は、「IBM Cloud Management Console」と呼ばれる中央管理型コンソールから、アプリケーションを「パブリッククラウド(パブリックインターネットサービス)」に割り当てられるようになる。
IBMが米国時間2月10日に発表した声明文によると、この「オーバーフロークラウド」機能を利用すると、顧客はリソースが圧迫されたときアプリケーションに優先順位をつけることができるという。
JuniperとIBMは、IBMのクラウドインフラストラクチャおよび顧客リエゾンセンターのネットワークである9カ所のCloud Labsにこの機能を組み込む作業に取り組んでいる。IBMによると、これによって顧客のワークロードをセンター間で切り替えることが可能になるため、サービス品質保証契約(SLA)をより確実に履行できるようになるという。
クラウドサービスは、GoogleやAmazonといった企業が管理型の電子メールプロビジョニングやコラボレーション用ツールなどのサービスをインターネット経由で提供したことで、普及が拡大した。GartnerのDaryl Plummer氏は10日、IBMの今回の発表は同社が今後この分野で競争していくという意思を示すものだ、とZDNet UKに述べた。
「IBMはこの分野に参入し、Amazonのような既存のクラウド提供企業に追いつこうとしている。Juniperとのコラボレーションによって、IBMはクラウドコンピューティングプラットフォームを拡張し、柔軟性のあるクラウドを提供することができるだろう」とPlummer氏は述べた。
さらにIBMは10日、同社のクラウドサービスの拡充を発表した。顧客は、IBMの戦略ワークショップである「Infrastructure Strategy and Planning for Cloud Computing」を使って、サービスについて議論したり、サービスを立ち上げたりできるようになる。同ワークショップは、2008年に発表された「Infrastructure Consulting Services for Cloud Computing」を補強する。また、顧客はIBMの新しい「Design and Implementation for Cloud Test Environments」を使って、ネットワーク内でクラウドプラットフォームの構築やテストを行えるようになる。
さらにIBMは、「Tivoli Provisioning Manager 7.1」や「Tivoli Service Automation Manager」を含む既存製品をまとめたスイート「Service Management Center for Cloud Computing」も発表した。これらのアプリケーションを利用すると、ITプロフェッショナルはクラウドプロビジョニングの自動化および管理を実行することができる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ