ソフトウェアはむしろ、ワールドワイド規模の強力なサポートサービス体制を得ることができ、Sunが抱えていたときよりも企業ユーザーは安心してSunのソフトウェア製品群を採用できると考えている。
もちろん、一部製品は既存のOracle製品とマージされる、あるいは開発が縮小、打ち切りになるものの出てくるかもしれない。しかし、そうなる製品はしょせん遅かれ早かれ市場から姿を消す運命にあったのかもしれない。
一夜明ければ盛んにMySQLが話題に上っているが、それこそOracleの強力なサポートサービス体制を得て、より市場での評価が高まる可能性がある。Oracleという会社は、買収した製品をもっと効率的に自社戦略に取り入れ、活用している企業でもあるのだ。
ハードウェアは心配
心配なのは、やはりハードウェアだ。
Sunのビジネスが傾いたのも、とくにSPARCというシリコン製品を開発しているところにあると筆者は考えている。5年後に市場に出る製品を今開発し、構想は10年、20年先を見据えなければならないのがシリコンの世界だ。それは、会社にとってはかなりの重荷となる。
Oracleはまず、この部分で富士通とどう協業関係を築くのか、かなり注目されるだろう。これを見誤れば、せっかく手に入れたハードウェアが単なる重荷にしかならない。
これはまったくの思いつきに過ぎないが、もしOracleが本当にIBMを凌駕するような総合的なITベンダーを目指すというのならば、さらなるハードウェアベンダーの買収もありうるかもしれない。先頃サーバー市場への参入を表明したCiscoは高すぎて買えないかもしれないが、可能性としては、たとえばAMDなんてどうだろうか。
毒を食らわば皿までという気もするが、そういった動きが出てくれば、Oracleの覚悟というものも実感できるかもしれない。