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日米両国「いいとこ取り」の手厚い制度--「あったらいいな」を実現する企業:アドビ システムズ

遠竹智寿子

2009-05-12 08:00

 第5回目の「あったらいいな」は、米Adobe Systemsの日本法人であるアドビ システムズ(以下アドビ)の「就労規則」についてです。米国で「社会的影響力のある企業のトップ50」に数えられ、Fortune誌の2009年度「働きたい会社」ランキングでは11位に登場するグローバル企業のAdobe Systemsですが、就労規則はその国のカルチャーを大事にした国別の制度を設けているそうです。日本法人の設立当初から続く「あったらいいな」とは、どんな内容なのでしょう。同社の年間の離職率は1ケタ、就業年数も長い人は17年とのこと。これは、何よりも「会社としての居心地の良さ」を物語っています。その秘密を探っていきます。

業績も効率もいい日本法人

アドビ アドビ システムズ

 アドビ システムズ 人事部長の杉本博美さんにお話を伺いました。

 アドビといえば、クリエイティブ系ソフトウェアのトップ企業として知られています。社員数もそれなりに大人数かと思いきや、日本法人は約200名とのこと。「よく『社員数は500人くらいですか?』と尋ねられます。そういう意味では生産性が高くて超少数精鋭型と言えます」と杉本部長。ソフトウェア企業のエクセレントカンパニー(超優良企業)の位置付けは、従業員1人当たりの売上げが年間5000万円以上とされていますが、同社の場合その4倍以上の売上げがあります。ワールドワイドの売上げの20%弱を日本法人が上げており、国別売上げはアメリカに次いで2位。外資系企業の多くがワールドワイドの売上げの10%を目指す中、売上げの貢献度も高い日本は最重要市場と位置付けられています。

 米国のAdobe Systemsは1982年に、日本法人は1989年4月に設立されました。当時日本オフィスの立ち上げメンバーは3〜4人程度で、杉本部長はそのスタートメンバーの1人です。人事や総務などのすべてを担当し、就業規則も杉本部長が中心となって作り上げました。ただ、杉本部長はそれまで米国に在住していたこともあり、日本の人事制度についてはほとんど手探り状態だったと言います。「人事系のコンサルティング会社や社会保険事業の支援を得つつ日本の就業規則の情報を集め、米国本社の規約も参考にしながら規約作りを進めましたが、どうせ作るなら『日本とアメリカのいいところ取りをしてしまおう』と考えました」と、当時を振り返ります。

ちょっとした工夫で長期休暇が可能に

 杉本部長は、アドビの特徴のひとつとして、まず「有給以外のお休みが多い点」を挙げます。同社は、特にユニークな休暇制度や休職制度を設けているわけではありませんが、基本的な夏休みや正月休みなどを他社よりも長めに設定し、長期休暇をしっかり取ってもらおうという体制です。

 例えば今年のゴールデンウィークは、カレンダー回りが良かったので、有給休暇などを組み合わせて上手に長期休暇を取られた方もいたでしょう。それでも一般の企業では、土日祝日以外はカレンダー通りの扱いで、全員が同じように平日に有給休暇を取ることはできません。ところがアドビでは、ゴールデンウィークの初日である4月29日(祝)から5月5日(火)までの丸々1週間を「ゴールデンウィーク休業」と決め、全社員が長期休暇を取れるようにしているのです。

 また、年末は12月27日〜1月4日の9日間が休業日となるほか、夏休みは有給休暇とは別に5日間(7〜9月の間に取得可能)与えられます。こうした休暇は、ほかの企業より1〜2日分多いだけなのですが、このちょっとした配慮によって1週間丸ごと休むことができるのです。1週間の連続休暇と飛び石の連休では、プライベートで何かを楽しむにしても、家族との過ごし方にしても、そして気持ちの上でも大きく異なってきます。

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