凸版印刷(凸版)は8月10日、保険業界を対象に文書管理システム「digiarch(デジアーチ)」の提供を開始したと発表した。2010年4月に施行される保険法改正に伴う、約款やマニュアルの改訂作業、各部署間の承認フロー、新旧対照表の自動作成などの機能をASP方式で提供する。
2010年4月に施行される保険法改正では、保険契約者を保護する観点から、約款などの内容が大幅に見直されるという。同社によると保険業界では、これまで使用していた約款やマニュアル文書、デザインなどの大幅な見直しが予想されているとしている。これに伴う改訂作業には、各部署間での原稿の受け渡しや、確認・承認作業などが必要となり、文書の正確性や制作時間などで懸念があるという。
今回発表されたdigiarchでは、文章やデザインの制作、承認フローなどを総合的に支援する。各原稿は「Microsoft Word」で制作し、定義付けしたスタイルをもとにXMLで書き出す。その後、DTPソフト「Adobe InDesign」のドキュメントに変換して印刷する。印刷で使用したInDesignドキュメントをWordドキュメントに変換でき、循環型の業務フローが可能になるという。「バージョン管理」「履歴管理」「承認システム」「新旧対照表作成」などの機能をウェブ上で利用できるため、作業の正確性や、制作時間の短縮が図れるとしている。
価格は、ライセンス費用と初期構築費用、文書解析を含んだ初期費用が750万円から。運用費用が月額60万円から。販売開始1年で10社への販売と、2億円の売り上げを目指す。凸版では今後、保険業界の約款やマニュアル以外にも、証券業界の目論見書やカード業界の規約集、社内統制マニュアル、各種機器の取り扱いマニュアルなどにも対応するという。