3. 解決案
課題が共有されるのは、あなたの分析能力が評価されたに過ぎません。あなたが提言したいことは、この解決案に含まれるはずです。どう解決していくかを提言するには、新たな気づきを提案する必要があります。ここでありきたりの解決案を提案してしまうと、リスナーはあなたのプレゼンテーションを聞くまでもなく、自ら解決すればいいことになってしまいます。
4. 解決するために必要となる具体的なアクション
このセクションでは、リスナーを一気にお勉強モードから当事者モードに引き込むことになります。解決案は一般的な表現を用いるので、リスナーの納得感は獲得されるものの、実現性を示すものではありません。一方、具体的なアクションについて話す時には、あなたやあなたの企業がこの具体的なアクションをすることによって課題が解決できるのではないかという期待を持たせなくてはなりません。つまり、ポイントは「実現性」です。
ただし、ここで気をつけるべきことがあります。具体的なアクションがリスナー自身でできそうな内容だと、あなたは単なるいい人になってしまいます。ここでは実現性を感じさせつつも、リスナーが自ら解決するのは難しいという歯がゆい状態に持ってくるのがポイントです。リスナーは、この歯がゆい状態で次のプレゼンテーションを聞くことになるのです。
5. あなたがアクションを起こす意味
このスライドが表示される時には、リスナーは既に課題とその解決案を理解し、解決するために具体的にどうすればいいのか理解しているものの、リスナー自身では実現が難しい歯がゆい状態です。ここであなたは最後の仕上げに入ります。
ここで伝えたいメッセージは簡単です。リスナー自身では実現が難しい具体的なアクションをサポートするのがあなたであり、数あるサポーターの中であなたが優れていることをアピールするのです。アピールの段階で、いつもの会社説明資料をそのままコピペするような愚かなことは絶対に避けてください。今までのストーリーできちんとスライドを作成していれば、自分がアピールすべきポイントは明確になっているはずです。無駄な説明は一切省き、効果的にアピールすることが重要です。網羅的なアピールでは、何ができるのか明確にならず、逆に何もできないように見えてしまいますから気をつけて下さいね。
6. メッセージをまとめる
1から5までで一通りのストーリーは終わりです。力強くあなたの価値を示すことができているはずです。リスナーも興奮して、あなたの世界に魅了されているでしょう。しかしその興奮状態は、冷静になるといきなり冷めることがほとんどです。プレゼンテーションに引き込まれていても、後でそのポイントを他の人に説明できなければ、「あ、もしかしてたいしたことがないプレゼンテーションだったのかも」などと思われてしまうかもしれません。そうならないためにも、最後のまとめさえ見ればポイントを思い出してもらえるようにするべきでしょう。最後のまとめはプレゼンテーションの念押しになりますし、印象をより強く植え付ける効果もあります。リスナーが帰社した後も、このスライドさえ見ればだいたいの内容が思い出せるでしょう。