Microsoftは、「Office Web Applications」のテクニカルプレビュー版を8月中にリリースするとしていたが、結局実現しないようだ。
だが、Microsoftの代表者が私に語ったところによると、Office Web Appsの4つのアプリケーションのテクニカルプレビュー版は、約束どおり配信するのに近い状態にあるという。Microsoftはウェブ版の「Office」であるOffice Web Appsを2008年秋に初披露している。Office Web Appsの開発状況について聞いてみたところ、Microsoftから以下のような回答をもらった。
「Worldwide Partner Conference(WPC)」でわれわれは、Office Web Applicationsのテクニカルプレビュー版は仮のタイムフレームとして8月に公開すると述べた。8月中には公開しないが、現在でも間もなくリリースする予定に変わりない。
整理しておくと、Microsoftの代表者が私に、テクニカルプレビューの公開時期として自ら8月と課していることについて話したときには、「仮」という言葉は用いなかった。残りの「Office 2010」スイートは7月、数千人規模のユーザー向けのテクニカルプレビュー版の一部として公開されている。
5月、Office Web Appsのスクリーンショットが他のOffice 2010のテクニカルプレビューとともにウェブにリークするという事態が起こった。リークしたOffice Web Appsが8月に公開予定(現在では9月になったようだが)のテクニカルプレビュー版と同じかどうか、Microsoftの代表者に尋ねたが、回答は得られなかった。
Office Web Appsは、「Word」「Excel」「PowerPoint」「OneNote」のウェブ版を総称する仮の名称で、Microsoftが2010年の5月か6月に出荷を予定しているOffice 2010の一部となる計画だ。Microsoftの幹部はOffice Web AppsはクライアントベースのOfficeを置き換えるものではなく、Officeを補完するものと位置づけている。
Microsoftの代表者は、Office Web Appsは無償版と有償版の両方で提供すると述べている。一般ユーザーは「Windows Live」経由で無料でアクセスでき、「Software Assurance」顧客には、オンプロミスでOffice Web Appsを動かすことができるオプションが提供され、オンプロミスの「SharePoint Servers」からアクセスできる。Office Web Appsはまた、(Microsoft Onlineブランドの下で)Microsoftがホスティングする一種のサービスからもアクセス可能になる予定だ。
Office Web Appsは、Internet Explorer 7または8が動くPCやデバイス、Firefox 3.5(Windows、Mac、Linux)、Safari(Mac)で動く。WPCで私は「Windows Mobile」を搭載した携帯電話で動くデモを見たし、Microsoftも将来モバイル端末(技術名は明らかにしていない)上で動くことになる、と述べている。Microsoftはこのほか、「Silverlight」プラグインをインストールしたユーザーは、高度機能が使える計画も明らかにしている。
Microsoft側は、昨年Office Web Appsを披露して以来、同製品に関する期待をコントロールしようと試みている。Office Web Appsの機能は、クライアントベースのOfficeとまったく同じではない。Officeドキュメントの閲覧や軽い編集向けに設計されており、ドキュメントをはじめから作成することはできない。それでも、多くのユーザーがOffice Web Apps--正式版がなんという名称になろうとも--が「Google Docs」「Google Apps」と競合する製品となると予想している。テクニカルプレビュー版が公開された後、テスターが同製品をどのように評価するのか、興味深いところだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ