CBAが整える「SaaS/PaaS/IaaSイネーブル・フレームワーク」で3者間の相互接続が実現するとともに、オープンスタンダードなクラウド環境に則ったクラウドサービスを構築することが可能になる。
CBAが構想するように、SaaS、PaaS、IaaSの3者が円滑に相互接続できるようになれば「ユーザーの状況や要望に応じて、サービスの提供環境を意識せずに必要なサービスを使える。たとえば、プライベートクラウドでサービスを供給していた企業が、ユーザーの増加に伴いパブリッククラウドを追加することなどが可能になる」(澤田氏)という。
SaaS、PaaS、IaaSの相互接続の実現は、これら3者の明確な分業化を促進するだろう。
SaaS事業者は、サーバ環境を選択しやすくなることで、アプリケーションあるいはサービスに専念することができる。PaaS事業者は「1つのデータセンターに障害があっても、別のデータセンターに迅速に切り替えるなど、危機を回避できる」(エクシード代表取締役 鈴木義則氏)というような利点があるという。
ビジネス展開への支援では、「SaaS/PaaS/IaaSイネーブル・フレームワーク」の実装を実行した後、機能要件、業務要件、マーケティング要件に基づき、標準仕様を検討していく予定だ。さらに、課金や請求といった共通業務の標準化を図り、エンドユーザーに対しては認証やセキュリティ面での一元化を図る。
これらは、国内のIT事業者がクラウドサービス事業に進出しようとする場合の障壁を取り除き、ユーザーの利便性の向上を実現するための施策だ。