#3:マルチブート環境の構築を検討しておく
カスタムインストールを検討する際には、マルチブート環境の構築という選択肢も考慮すべきである。コンピュータの起動時にWindows XPとWindows 7のいずれかを選択できるようにしておくことで、設定やドキュメント、アプリケーションの移行面で多大なメリットをもたらすことができる。具体的には、Windows XPで何らかの設定内容を確認した後、Windows 7を起動して同じ内容に設定するということもできるはずだ。Windows XPの設定をすべてWindows 7に移行し終えた段階でマルチブート環境を廃止し、Windows 7のみが起動されるようにしてから、Windows XPを削除すればよい。
こういったマルチブート環境を構築するには、Windows XPとWindows 7を同一ハードディスク上の別々のパーティションにインストールしておく必要がある(Windows 7をセカンダリハードディスク上にインストールした場合、ブートバーティションはプライマリハードディスク上に格納されているため、XPが不要になってもプライマリハードディスクを取り除くことができない)。このため、Windows 7用のパーティションを作成しようとした場合、ハードディスクの再パーティショニングを行う必要がある。なお、Norton PartitionMagic 8.0(小売価格およそ70ドル)やEaseus Partition Master Home Edition 4.0.1(無償で入手でき、CNET編集者による最近のレビューで星4.5個の評価を得た)を始めとするパーティション管理ソフトウェアを利用することで、データを破壊することなく再パーティショニングを行うことができる。
#4:データのバックアップ/復元戦略を策定しておく
あるOSから他のOSに移行するにあたっては、全データのバックアップを少なくとも1つ、万が一のことを考えれば2つ作成しておいた方がよいだろう。2つもバックアップを作成するというのは大袈裟だと思うかもしれないが、追加のバックアップがあればより安心できるというものだろう。
あなたがサードパーティーのバックアッププログラムを使用している場合、開発元のウェブサイトにアクセスし、そのプログラムのWindows 7対応予定をチェックしておく必要がある。サードパーティーのバックアッププログラムを使用していない場合、Windows XPに付属しているバックアップユーティリティを使用しているはずである。ご存知かもしれないが、このツールで使用されているファイルフォーマットはWindows Vistaの「バックアップと復元センター」と互換性がない。この問題に対処できるよう、Microsoftは「Windows NTバックアップ/復元ユーティリティ」という、XP用バックアップユーティリティの特別バージョンを提供している。同ユーティリティは、Windows XPに付属しているバックアップユーティリティによって作成されたバックアップを、Windows Vistaが稼働しているコンピュータ上で復元できるよう特別に開発されたものである。Microsoftからの正式な確認が得られたわけではないものの、この特別バージョンのユーティリティがWindows 7でも動作する、あるいは動作するよう改訂されることはまず間違いないだろう。
あなたがそういった不確かさを嫌っている、あるいは使用しているサードパーティーのバックアッププログラムがWindows 7に対応するかどうか分からないという場合であっても、すべてのデータファイルをCDやDVD、あるいは外部ハードディスクにコピーしておくことはできるだろう。