IDC Japanは10月13日、国内メッセージングセキュリティ市場の予測を発表した。経済不況の中でも堅調に成長し、2013年には284億円に達するという。
IDC Japanによると、2008年の市場規模は前年比23.6%増の171億円に達した。2009年は景気後退の影響でプロジェクトでの製品導入は苦戦するものの、ライセンス更新などが堅調の見込みといい、2008年から2013年の年間平均成長率は10.6%となる。
メッセージングセキュリティ製品はソフトウェアプラットフォームが中心だったが、2008年にはアプライアンス製品が売上規模でソフトウェアに近づきつつある。今後はSaaSやクラウドを使ったメッセージングセキュリティ製品が、導入の簡単さや、大量のスパムメールを受けた際でもトラフィックをコントロールできる点などを評価され、急速に伸びると予測している。
またメッセージングセキュリティソリューションは、個人ユーザー向けに無料で提供されるなどコモディティ化が進んでいることから、ベンダーの収益率の確保にはこれまでのスパム対策、アンチマルウェア機能に加えて暗号化や情報漏えい対策などの付加機能が重要になると見ている。IDC Japan セキュリティ リサーチマネージャーである花岡秀樹氏は、「新機能へのユーザー需要喚起と、各機能の自社運用/クラウドでのハイブリッド利用の促進が鍵となる」と分析している。