ビットアイル、アプリのSaaS化を支援する新サービス発表--クラウド事業強化

大川淳

2009-10-14 21:37

 インターネットデータセンター事業のビットアイルは10月14日、「Cloud ISLE」ブランドで展開するクラウドコンピューティングサービスに新サービスを追加した。IaaS、HaaS分野のサービスを2種類提供するとともに、アプリケーションベンダーが自社アプリをSaaSとして提供できるメニューも用意する。

既存顧客向けIaaS、HaaSの「サーバオンデマンド」

 サーバオンデマンドは、ビットアイルのデータセンターサービスのユーザー企業を対象に、必要に応じて短期間利用できるサーバリソースを提供するサービス。同社データセンター内に構築されたサーバプールの中から、ゲストOS単位、仮想サーバ単位でサーバリソースを提供するしくみで、いわゆるIaaSおよびHaaSとなる。

既存ユーザー向けのサーバオンデマンド(画像をクリックすると拡大します) 既存ユーザー向けのサーバオンデマンド(画像をクリックすると拡大します)

 ユーザー企業は、データセンターの契約コロケーションラック内のシステムにサーバリソースを追加することで、短期限定サービスの展開や期間限定キャンペーン時のアクセス集中対応など、短期的なサーバリソースの増強を図ることができる。

 同社では納期について、通常3営業日以内、最短で2営業日以内としている。料金は、1ゲストOS単位で、CPU1コア、メモリ2GB、HDD20GBで月額2万5000円から。別途、初期費用として3万円が必要となる。

専用のクラウド環境を利用できる「プライベートクラウド」

 プライベートクラウドは、ビットアイルのデータセンター内に構築されたリソースプールの中に、ユーザー企業それぞれにラック、ネットワークなどクラウドの機軸となる要素を完全独立した形態で提供するサービス。仮想的に専用のクラウド環境を利用することができる。そのため、よりセキュリティを堅牢にするなどの個別カスタマイズが可能だという。

 プライベートクラウドでは、「VMware vSphere」「Hyper-V」「Citrix XenServer」「Parallels Virtuozzo Containers」などの仮想化ソフトが用意されており、ユーザーのニーズに合わせた仮想環境を選択可能。また、WAN、インターネットなどの回線、ファイアウォール、ロードバランサー、L2スイッチなどのネットワーク機器、物理サーバ、ストレージ、運用管理などをパッケージ化しており、ユーザー企業はこれらを月額課金で利用できる。

仮想的に専用システムを用意するプライベートクラウド(画像をクリックすると拡大します) 仮想的に専用システムを用意するプライベートクラウド(画像をクリックすると拡大します)

アプリケーションのSaaS化を支援する「アプリケーションオンデマンド」

 アプリケーションオンデマンドは、アプリケーションベンダー向けにクラウド基盤を提供するサービス。ベンダーは、自社の既存アプリケーションをSaaS化できるようになるという。

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