AppArmor:AppArmorツールに新たな機能やプロファイルが追加される。新機能の1つとして、初期化を高速化するためにキャッシュファイルを活用する新たなパーサを挙げることができる。またAppArmorには、プロセスをあるプロファイルに移行させたり、プロファイルなしで実行させたりすることのできる新機能(「pux」)も用意されている。さらに、新たなプロファイルも追加されているため、従来のものよりも機能が強化され、柔軟性も向上している。
NXビットのエミュレーション機能:この機能について知っている人は少ないだろう。特定のCPUには、指定したメモリ領域をプロセッサ命令用やデータ用として予約しておくことのできるNX(Non eXecutable)ビットという属性が用意されている。この属性を用いることで、メモリの一部を実行不可にすることができる。Ubuntu 9.10では、カーネルレベルで実行付加領域の設定が可能になっているため、NXビットをサポートしていないCPUが搭載されているマシンであっても同様の機能を実現することができる。このため、悪意のあるソフトウェアおよび/またはバッファオーバーフロー攻撃に対する防御性能が大幅に向上することになる。
上記で挙げた機能や強化策によって、Ubuntuはさらに進歩している。Ubuntu 9.04でもたらされた素晴らしい機能の数々もあるということを考えれば、Ubuntuが中小企業やエンタープライズの分野への進出に向け、いかに優位なポジションに付けているのかが理解できるはずである。
世の中には否定論者が多いということは筆者も分かっている。しかし、UbuntuがLinuxの先陣を切って企業デスクトップの世界に進出していくことは、もはや「もしも」ではなく「いつ」という話になっていると明言することができる。このため、Ubuntu 9.10では無理だったとしても、10.04あるいは10.10で現実のこととなるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ