シスコ、第2世代のサービス統合型ルータ「ISR G2」シリーズを発表

田中好伸(編集部)

2009-10-21 15:48

 シスコシステムズは10月21日、サービス統合型ルータ群「Cisco ISR」を大幅に刷新した第2世代のサービス統合型ルータ群「Cisco ISR G2」を発表した。

 ISR G2は、同社のアーキテクチャ「Cisco Borderless Networks Architecture」に基づいたもので、一般企業やサービスプロバイダーなどが、たとえばビデオ会議やウェブ会議などのコラボレイティブアプリケーションをオンデマンド型のサービスとして支社・支店に簡単に提供したり、拡張したりといったことができるようになるものと説明している。

 ISR G2では、ルーティングやスイッチング、無線LAN、セキュリティといった技術を統合させる。IT管理者は、ネットワークの管理、拡張、統制、保護をより簡単に行えるようになる一方で、エンドユーザーとデバイス、アプリケーション、業務プロセスのそれぞれの連携を強化できるとしている。

 既存のISRシリーズは2004年以来、さまざまな企業で活用されるようになっているが、今回のISR G2シリーズの性能はISRシリーズの5倍になっているという。

 現在、ビデオやウェブといった形で企業内外で映像をメインにした通信が普及しつつあるが、シスコの調査によれば業務として映像を導入する割合は2012年までに77.6%になるという。そうした状況を踏まえて、ISR G2シリーズでは、映像に対応したアーキテクチャと映像に対応するDSPを搭載している。

 またISR G2シリーズでは、ハードウェアとソフトウェアを切り離すことで、仮想サービスの導入や管理を遠隔地からでも行えるようになっているという。「Services Ready Engine」という技術を採用することで、支社や支店へのサービス導入を動的に展開でき、支社や支店に出向かなくてもサポートが行えるようになるとしている。

 運用コストを削減するという目的から、ISR G2シリーズには「Cisco EnergyWise」を実装。これにより、ポリシーベースでの制御が可能となり、消費電力や電力コストの効率的な管理ができるという。ISR G2シリーズでは、EnergyWiseに対応したスイッチモジュールとスロット単位の電力制御の機能を載せられるようになっており、この機能を支社や支店でも活用できるようになるとしている。

 ISR G2シリーズは主に3つの製品群から構成されている。フラッグシップ製品として「Cisco 3900」シリーズ、ミッドレンジ向けとして「Cisco 2900」シリーズ、モジュラー型ルータとして「Cisco 1900」シリーズを用意している。

 3900シリーズは、セキュリティやスイッチング、ユニファイドコミュニケーション、ビデオ、無線LAN、WAN最適化といった各機能を統合できるようになっている。ミッドレンジ向けの2900シリーズは、セキュリティやスイッチング、ユニファイドコミュニケーション、ビデオ、無線LANなどを統合できる。1900シリーズは、セキュリティやスイッチング、無線LANなどの機能を統合できる。

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