発売直後の売り上げから判断するに、確かに「Windows 7」は、「Windows Vista」よりも人気のあるOSである。
NPD Groupが米国時間11月5日に発表した調査リポートによれば、Microsoftが発売直後に売り上げた本数で比較した場合、パッケージ版Windows 7は、パッケージ版Windows Vistaに比べ、234%増を記録したという。
実際の販売額においても、Windows 7はWindows Vistaより好調であった。しかしながら、Windows 7の先行販売パッケージのディスカウントや、「Windows 7 Ultimate」の販売を押し上げるプロモーションの不足などが相まって、Windows 7の(リリース直後の)販売総額は、Windows Vistaの発売時より82%増となるにとどまっている。
今回の調査リポートを執筆したNPD GroupのStephen Baker氏は、CNET Newsに対して「Windows Vistaの時にMicrosoftはUltimateへ一層注力していたが、今回はUltimateの販売価格が高く据え置かれたのみならず、より『Windows 7 Home Premium』バージョンおよびファミリーパックに注力していると思う。Microsoftが展開してきたプロモーション攻勢の大半もHome Premiumをターゲットにしており、たとえば、『新しいPCを買って、Home Premiumを50ドルで手に入れよう』といったものが中心であった。先行予約販売は、ほとんどがHome Premiumに的を絞ったものとなっていた」と語っている。
NPD Groupによって提供されたデータには、Microsoftが7月に開始したディスカウントプログラムによるWindows 7の先行予約販売と、10月22日に発売された直後の売り上げの両方のデータが含まれている。
NPD Groupは、実際のWindows 7の販売本数データを公表していないが、パーセンテージデータから知ることができるだろう。
Net Applicationsも、Windows 7のリリース直後の普及が好調であると伝えている。
とはいえ、新たなOSを搭載したPCハードウェアの売り上げは、それほど振るわなかった。Windows 7の発売に向けたPC販売の伸びが、第3四半期(7-9月期)全体でも最高レベルを記録しはしたものの、Windows Vistaの発売時ほど需要は伸びず、Windows Vistaのリリース直後のPCの売り上げと比較すると6%減を記録している。
Windows 7を搭載するPCの売り上げには、さまざまな要素が影響を及ぼしたと、Baker氏は解説を加えている。Windows Vistaの発売は1月であり、一般的には10月よりも販売環境としては整っている。また、Windows 7は、以前のOSを搭載したPCの売り上げに押されてしまっており、Windows 7が発売された週に古いOSを搭載するPCの売り上げが全体の20%を占めたことが明らかにされている。これとは対照的に、Windows Vistaが発売された時に、以前のOSを搭載したPCの売り上げが全体に占める割合は6%に過ぎなかったという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ