日立製作所は11月26日、提供するクラウド環境ソリューション「Harmonious Cloud」の「ビジネスPaaSソリューション」がリコーテクノシステムズで運用するITアウトソーシングサービスに採用されたことを発表した。
Harmonious Cloudは、(1)ビジネスPaaSソリューション(2)ビジネスSaaSソリューション(3)プライベートクラウドソリューション――の3つで構成される。リコーテクノシステムズに採用されたビジネスPaaSは、日立の統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」やストレージ「日立ディスクサブアレイシステム」といった製品を中心に構成されるプラットフォームのリソースをネット経由で利用するサービスになる。
日立製作所は、ビジネスPaaSの“高いセキュリティ”と“運用性や移行性”がリコーテクノシステムズに高く評価されたとしている。
ビジネスPaaSは、ネットワークとサーバ、ストレージのそれぞれでユーザー企業ごとに完全に独立した環境を実現していることで、複数企業が共同で利用するクラウド環境でも、企業内に設置されたIT環境を利用するのと同等のセキュリティを確保できる。また、サーバの仮想化では、ハードウェアレベルで処理する日立独自の仮想化機構「Virtage」(バタージュ)で、仮想サーバから別の仮想サーバへのメモリやデバイスの参照をハードウェアレベルで禁止するなど、仮想サーバ間の高いセキュリティが実現していると説明する。
一般的なサーバ仮想化機能でのPaaSは、仮想化固有のノウハウが必要とされるが、日立のビジネスPaaSでは、Virtageで物理的な環境を透過的に見られることから、仮想化固有のノウハウがなくても、PaaS上のシステム構築や運用、従来システムからPaaSへの移行も容易になるとしている。これが、採用につながった評価点の2つめだ。
リコーテクノシステムズでは、日立のビジネスPaaSを利用して「ユーザー企業のPC調達、管理業務を簡素化するサービスに活用していきたい」と説明している。