自分で作る?それとも買っちゃう?構築をアウトソースしちゃう?--検討プロセスを改めて考える - (page 2)

文:Scott Lowe(Special to TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子

2009-12-09 10:43

適切な製品を見つけ出す能力:あなたの基本的なスタンスが製品やサービスを購入したり、アウトソーシングするというものであったとしよう。アウトソーシングしたいプロセスやサービスが一般的なもの(例えば、中央で一元管理できるカレンダーシステムなど)である場合、選択対象となる製品の数は多くあるだろう。しかし、あまり一般的でないものを実装する必要がある場合、アウトソーシングの選択肢は限られ、自ら製品を構築した方がよいという結論に達するかもしれない。また、あなたのビジネスプロセスにぴったり一致する製品を探すことが難しいという場合もあるはずだ。そういった場合、プロセス自体を変更して製品の機能に合わせることと、プロセスに一致するような製品を開発することのいずれが理に適っているのかを判断する必要も出てくる。多くの企業は最も基本的なプロセスであっても変更したがらず、変更することが最善である場合であっても躊躇することが多いのである。

組織内における専門知識:そもそも、組織固有のソリューションを構築することのできる要員が組織内にいるだろうか?いない場合、「購入する」という選択肢を採らざるを得ないだろう。また、こういった疑問の一環として、製品を保守するだけの時間や専門知識を有した要員がいるかどうかも自問するべきである。結局のところ、何かを構築した場合、その良い面も悪い面も引き受けることになるわけである。

分かりきった意思決定に背を向け、長い目で見て理に適うことを行わなければならない時もある

 上記で、中央で一元管理できるカレンダーシステムは数多くあるということを述べた。Westminster校は2009年、そういったシステムが必要となる状況に直面した。慣習的な判断に従えば、サードパーティーのソリューションを入手、配備し、既存システムと統合するべきところだった。しかしわれわれはSharePointをベースにした独自システムの構築という道を選んだ。そして、今までのところこのシステムは順調に稼働している。なぜ構築という道を選んだのか?簡単に説明すると、マスターカレンダーは容易に定義、管理することのできるシステムであり、似たような要求が増加するなか、我が校でSharePoint開発の主担当となっている技術者がソリューションの構築によって経験を積みたいと望んだためである。この技術者は、マスターカレンダープロジェクトを担当し、それを完了させることで、SharePoint開発のスキルを磨くだけではなく、今後のソリューション検討において、組織内での構築vs.購入という問題に取り組む際により適切な評価を行えるようになると考えたわけである。開発期間は、製品として提供されているシステムを購入する場合よりも長くなったものの、完成したシステムは素晴らしく、われわれのチームは我が校における主要システムの1つを深く理解するに至った。そしてカレンダーシステムを熟知しているこの開発者は現在、増大する電子メールへの対応策の一環として同システムの拡張に取り組んでいる。

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