遍在するAdobeのソフトウェア製品(Adobe Reader、Acrobat、Flash Player)に対するマルウェアの攻撃が急増していることを受けて、同社はユーザーが関与しなくても、通知することなくセキュリティホールにパッチを適用する、新たな自動アップデートの仕組みを出荷する計画だ。
Adobeは2010年1月中に、このアップデーターをベータユーザーに提供し、通知なしで更新する手法の有効性を検証する予定だ。実際には、このツールはエンドユーザーにバックグラウンドで自動的にダウンロードする機能を提供し、ユーザーに関与する選択肢を与えずにパッチをインストールするものだ。
Adobeのセキュリティ責任者Brad Arkin氏によれば、エンドユーザーが更新の手順にもっと関与したいと考える場合、このツールを設定することができるという。
Arkin氏はThreatpost.comに投稿された記事の質疑応答で、「ユーザーはダウンロード後にそれをインストールするかどうかを選べるようにすることもできれば、単にアップデートしたことを通知するようにすることもできるし、完全に機能を無効にすることもできる。このようにユーザーに選択肢を与えることで、十分に管理された環境を維持しており、アップデートをインストールしたくない合理的な理由があるユーザーに対応することができる」と述べている。
これまでの研究では、(ユーザーの関与を伴わない)通知なしにアップデートを行う仕組みは、セキュリティパッチの配布範囲を最大化するためのもっとも効果的な方法であることが示されており、Adobeは明らかにこの手法によって同社のパッチの配布スピードを速めることを望んでいる。
Arkin氏はまた、同じThreatpost.comの記事の中で、同氏のチームのインシデント対応プロセスについて述べているほか、JavaScriptが危険であることがよく知られているにも関わらず、なぜAdobe ReaderのJavaScriptサポートを止めることがほとんど不可能なのかを説明している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ