プラント専業大手の日揮は、IP電話5400台を活用したユニファイドコミュニケーション(UC)環境を構築した。富士通とシスコシステムズが2月1日に発表した。
横浜本社にまず導入し、役員や従業員、協力会社の約4000人にIP電話番号を割り当てている。場所を問わずに電話を直接受けられるようになっている。またボイスメールを併用することで、外出先や出張先から伝言メッセージを確認できる。
こうしたことから、プロジェクト関係者間のコミュニケーションや業務効率の向上が期待できるとしている。プロジェクト進捗に伴うオフィスのレイアウト変更時に都度発生していた内線工事や電話設定に関連する運用業務の簡素化と費用削減も期待されている。
今回のシステムでは、シスコの呼制御サーバ「Cisco Unified Communications Manager」とIP電話端末「Cisco Unified IP Phone」に富士通のIP-PBX「IP Pathfinder」を軸とする移行ソリューションを連携させて、富士通が構築している。本社内のPHSや各拠点のPBXといった既存資産を活用して、段階的にUCへの移行ができるとしている。
日揮は、中近東や北アフリカ、アジア、南米などに石油やガス、石油化学といった分野を中心に多くのプラント建設プロジェクトを展開している。プロジェクトの関係者は、横浜の本社を中心に国内外のエンジニアリング拠点をはじめとしてグローバルにプロジェクトを進めている。
そうした日揮では、プロジェクト業務の一層の効率化を目指して、国内外のエンジニアリング拠点や顧客企業、ベンダー、サブコントラクターなど社内外のプロジェクト関係者間でコミュニケーションを強化するためにIP電話を中心としたUC環境の構築を決断している。
日揮は今後、MMパークビルオフィスや研究業務の拠点である大洗研究所、海外のエンジニアリング拠点、建設現場にも順次UC環境を導入していく予定としている。
富士通とシスコは、2009年からUC分野で戦略的提携をして日本市場向けのソリューションの開発、サービスの提供などを共同で展開している。


