TISのグループ会社、天津TIS海泰は2月4日、中国におけるデータセンター事業開始に向けて、パックネットの中国合弁会社パックネット・ビジネス・ソリューションズと技術協力および共同営業を中心に業務提携したことを発表した。
パックネット・ビジネス・ソリューションズは、外資合弁通信会社としては中国で初めて中国工業情報化省より付加価値通信サービスの事業認可を取得し、同国に置いてIP-VPNなどの通信ソリューションを提供している。この業務提携により、天津TIS海泰は、2010年春の稼動開始以降、年間200ラック、5年間で合計1200ラックの販売を目指すという。
天津TIS海泰は、2008年2月にTISと海泰集団の合弁会社として設立された。同社では、2010年春までに天津地域に日本と同等のセキュリティ、品質を持つ「天津濱海高新インターネットデータセンター」(濱海高新IDC:ビンハイハイテクIDC)を竣工し、アウトソーシングサービスを開始する予定だという。濱海高新IDCは、セキュアファシリティにおけるグローバルスタンダードでは、米民間団体「the Uptime Institute」が定めた民間基準であるデータセンタースペックのグレード基準「Tier3」を上回る設備で設計され、日々の運用手順書からデータセンターの要員教育まで、TISのノウハウを反映した運用体制で構築されているという。
さらに、濱海高新IDC内に設置されるパックネットのPoP(Point of Presence: 接続拠点)には天津地区で初めて、TCP/IPを用いて複数のネットワークを接続したマルチキャリア環境において、キャリアの切り替えを自動的に行えるBGP接続が採用されているという。これにより、パックネットの次世代ネットワークの他、中国国内大手通信会社のネットワークへのアクセスが実現でき、ネットワークの多様性とともに多種多様で高品質なITアウトソーシングサービスを提供できるとしている。
また、パックネット自前の高速IPインフラは、中国国内の主要都市だけでなく、同社所有のアジア最大級の海底ケーブルシステム上に構築された堅牢で拡張性の高いネットワークインフラにも接続され、中国内外をシームレスにつないでいるという。現在、北京、上海、大連などの主要14都市に設けられているパックネットのPoPは、2010年末には20カ所になる予定。
天津TIS海泰では今後、日系企業のみならず、現地における金融業界、通信業界、製造業界を中心にサービスを提供し、ユーザー企業の事業展開をITインフラの側面から支援するとともに、中国国内でのサービス提供地域のさらなる拡大を目指すとしている。