IDC Japanは2月4日、国内ディスクストレージシステム市場の産業分野別2009年通年の見通しと2010〜2013年の予測を発表した。
同社によれば、2009年の国内外付型ディスクストレージシステム市場投資額は、1792億4000万円で前年比21.0%減のマイナス成長となる見通しだとしている。また2008〜2013年の国内外付型ディスクストレージシステム投資における年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)をマイナス4.9%と予測。2009年、2010年はマイナス成長が継続して、2011年から回復するとしている。
2009年上半期の国内外付型ディスクストレージシステム市場の特徴は、幅広い産業分野でマイナス成長となったことと、そのほとんどの産業の減少幅が2桁台へと大幅に落ち込んだことだ。IDC Japanによれば、コスト削減強化、投資見直し、大規模案件減少など、企業の厳しい投資抑制傾向は2009年下半期も継続しているという。
また、2009年通年ではすべての産業分野でマイナス成長になると予測。さらに2010年も多くの産業分野でマイナス成長が続くものとみている。特に投資規模が100億円を超える大規模産業分野では情報サービスを除き、プラス成長に回復するのは2011年以降になるという。一方、情報サービスは、データセンター、コンプライアンス対応、インターネットビジネスなどに関連する需要が継続しており、2010年には前年比3.3%増のプラス成長になると予測している。
同社、ストレージシステムズ シニアマーケットアナリストの筒井敏彦氏は、「国内ディスクストレージシステム市場は投資抑制期後、産業分野ごとに成長性や投資背景が大きく変化する。ストレージベンダーは得意産業分野と成長産業分野を改めて見直し、産業分野構成やターゲット市場の再検討を行い、新しい戦略の下でビジネスを進めていくべきだ」と分析している。