さまざまなサーバプラットフォームが混在する環境におけるバックアップでは、ものごとを複雑にするような要因が多数存在している。このため、以下に挙げている事項を確認し、バックアップ戦略の実現性向上に役立ててほしい。
サーバのバックアップはたいていの場合、それほど複雑ではないものの、さまざまなサーバプラットフォームを混在させようとすると、ものごとが複雑になることもある。本記事では、さまざまなプラットフォームが混在する環境におけるバックアップ戦略を立案するうえで考慮しておくべきことを10個紹介する。
#1:現在使用しているバックアップソフトウェアは、バックアップ対象となるすべてのプラットフォームをサポートしているか?
確認しておくべき最も基本的な事項は、現在使用しているバックアップソフトウェアが「異質の」OSと連携できるのかどうか、あるいは新たなバックアップソフトウェアが必要となるのかどうかということである。
#2:現在使用しているバックアップソフトウェアには、他のOSに対応した機能としてファイルレベルでのバックアップ以上のものが搭載されているか?
この項目は、最も見過ごされやすいものの1つである。筆者の言いたいことを分かってもらうには、Windowsネットワークにおけるバックアップを考えてもらうのが良いだろう。アプリケーションによっては、実行中にファイルレベルのバックアップを行うことができないものもあるのである(SQL ServerやExchange Serverなど)。このため、バックアップソフトウェアはこういったアプリケーションに対応するための機能を別途搭載している必要がある。同様のことは、Linux上やMacintosh上で実行されるアプリケーションにも当てはまる。つまり、「異質の」サーバがある場合、ファイルレベルのバックアップ機能だけでは不十分なケースもあるというわけだ。このことは、こういったサーバ上で実行されているアプリケーションに対応した特別のバックアップソフトウェアが必要になるかもしれないということを意味している。
#3:現在使用しているストレージメディアには、追加のサーバをバックアップできるだけの容量があるか?
これは基本的な確認事項であるが、重要であることに変わりはない。既存のバックアップインフラには、ネットワークに追加される新たなサーバを含め、すべてのものをバックアップできるだけの十分な容量があるだろうか?
#4:既存のバックアップシステムに対してこれまでいくら投資してきているのか?
既存のデータセンターに対して異質なプラットフォームのサーバを追加で導入しようとする場合、現行のバックアップインフラでは何らかの理由で新たなサーバに対応できないというケースも考えられる。そういったケースでは、既存のシステムに投資してきたコストについて、じっくり考えることが重要である。
既存のシステムにかなりのコストを投資してきているという場合、他のシステムで置き換えるという提案に難色を示す人も出てくるだろう。こういったことは、既存のシステムがそれほど古くない場合に特に言えるはずだ。このような状況においては、追加導入する新たなプラットフォームのために別途設計した第2のバックアップシステムを用意する方が良いこともある。