KDDI、広域ネットワークサービスで仮想データセンターやファイルサーバを新たに提供開始

ZDNet Japan Staff

2010-02-08 14:23

 KDDIは2月8日、同社が提供する広域データネットワークサービス「KDDI Wide Area Virtual Switch(KDDI WVS)」の機能を拡充し、「STEP2」として2010年5月より新機能の提供を開始すると発表した。3月31日より販売が開始される。

 KDDI WVSは、同社が2009年7月より「STEP1」の提供を開始している法人向けネットワークサービス。従来の広域イーサネット、IP-VPN型のサービスと異なり、レイヤの異なる複数のネットワークを仮想的に統合し、1つの広域スイッチとして利用可能にする「広域仮想スイッチ」と呼ばれる形態で提供される点が特徴となっている。

 分散したデータのデータセンターへの集約や統合が進む中で、運用管理負荷やコストの低減、災害対策や事業継続への対応を求める企業のニーズに合わせた機能を提供するとしている。

 STEP1では、データセンター向けネットワークへのアクセスパフォーマンスを向上させる「トラフィックフリー機能」、FTTH回線を利用したバックアップ回線や、小規模拠点向け回線を容易に設計可能な「プラグイン機能」の提供を行っている。STEP2では、より安定したイントラネットワーク上で、企業のプライベートクラウドを実現するための各種機能を拡充するという。

 新機能として追加されるのは「Virtualデータセンター機能」「バーストタイプ」「ファイルサーバ機能」「セキュア・インターネット機能」「宅内ルータレス機能」「L2/L3マルチレイヤ機能」「ネットワークマネージメントサービスの強化」など。

 Virtualデータセンター機能では、KDDI WVSネットワーク上に仮想的なデータセンターを構築して、閉域で接続するクラウドサービスを提供する。同機能で提供されるデータセンターは、トラフィックフリーの対象として追加される。また「バーストタイプ」では、データセンターだけでなく、契約しているすべての拠点に対してベストエフォートで帯域の拡張を行う。バーストタイプアクセスの回線使用料は、通信を行うエリアによって設定されており、例えば関東特定県内の場合、バースト10Mで5万3550円より、バースト100Mで22万500円よりとなっている。

 新たに追加されるファイルサーバ機能では、KDDIのデータセンター内で運用されるWindowsファイルサーバの機能を、KDDI WVSのバックボーンに直結する接続環境で提供する。ハードウェアの管理、故障対応、バックアップおよびリカバリもKDDI側で行う。提供価格は、初期費用および変更費用が2万6250円。月額の基本料金が1契約あたり5万2500円、ストレージ料金が1テラバイトあたり10万5000円より(1〜10テラバイトの場合)。また「セキュア・インターネット」機能では、1Gbpsのインターネットアクセス回線、仮想専用タイプのファイアウォール機能(IDS/IPS含む)、ラックのJSOCによるリアルタイムセキュリティ監視を提供し、各拠点からの高速かつ安全なインターネット利用を提供する。価格は、基本サービスのみの場合、初期費用が10万5000円より、月額利用料が24万1500円より。

 KDDIでは、今回のSTEP2のサービス提供により、自社で設備を保有してシステム開発を行う企業と、クラウドサービスを活用してアウトソースを進める企業のいずれに対しても、ビジネスに求められる信頼性、安全性、コストパフォーマンスを提供できるとしている。

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