Googleが米国時間3月22日に下した検索エンジンを香港へと移す決定を受けて、中国は23日、インターネット上からGoogleを完全にブロックすることはなかったものの、いくらかの対策を講じたようだ。
中国本土のインターネットユーザーは、Googleが新たなサービス提供方針を発表してから1日が経過したものの、依然としてGoogle.com.hkへとアクセスすることができる。これにより、長きに渡って「Blogger」や「YouTube」などのサービスに適用されてきたような完全にアクセスを遮断する措置が、Googleの検索に対しても導入されるのではないかとの懸念は払拭された。しかしながら、場合によっては、ユーザーが特定の(中国で)問題視されているトピックの検索結果にリストアップされたウェブサイトをクリックしようとすると、アクセスできなくなっている。
Piper JaffrayのアナリストのGene Munster氏は23日午前、中国内のコンタクトとの会話に基づいた調査報告を発表し、特定の話題について連続して検索するとブロックされてしまうことが観察されていることを明らかにした。場合によっては、問題視されているような検索用語を入力して検索を繰り返すと、Google.com.hkへのアクセスそのものが遮断されるようだが、いわゆる「万里のファイアウォール」(Great Firewall of China)と呼ばれる検閲にかかったとしても、そのコンピュータを再起動すれば、(Google.com.hkへの)アクセスも再び回復するという。
これはまさに中国がGoogle.comの検索結果に対して検閲を実施している方法と同じであり、そのためGoogleは、中国政府のフィルタを通過する必要のない、より優れた高速の検索サービスを提供するために、中国への進出を2006年に決定した。とはいえ、中国内にサーバを設置するためには、Googleが自主検閲に関する規制に沿うことが強制された。だが、Googleは1月に入って、中国における検索結果の検閲を完全に廃止する意向を示した。
Googleは、中国における同社の各サービスの遮断状況を毎日更新してリスト表示する方針を示しており、22日にはステータスダッシュボードが立ち上げられたものの、その後は(本稿執筆時点では)更新がなされていなかった。あるGoogleの関係者は、同サイトで提供されている情報は現在も正確であり、まもなくGoogleはサイトを更新する予定であると述べた。
Associated Pressは、ある中国の主立ったインターネット企業が、今回のGoogleによる決定を受けて、同社との提携を解消することに決めたと報じている。TOM Onlineは、同社のサイトからGoogleの検索を削除する決定が「提携契約期間の満了」によるものであると語ってはいるものの、あからさまな中国政府によるGoogleの蔑視が、同社との提携を解消するようにとの圧力をインターネット企業にかけることになるのではないかとの懸念が高まっている。
これは、Googleの「Android」部門にとっても問題が生じ得ることを意味している。The New York Times紙は、中国聯通(China Unicom)が、2010年中に発売を予定していたAndroidが搭載される携帯電話を見送る予定であると伝えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ