IT資産管理によって企業のコストを削減するための10の方法 - (page 2)

文:Umesh Shah(Special to TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子

2010-03-30 07:00

#3:法令の遵守が鍵である

 ソフトウェアのライセンス条件を遵守することは、特にベンダーによる監査が増えてきている昨今において、極めて重要となっている。Gartnerの2009年7月のレポートによると、調査対象企業の50%以上が、過去12カ月間のうちに少なくとも1回、ソフトウェアベンダーによる監査を受けたという(「Gartner Polls & Surveys Show an Increase in Software License Audits」(Gartnerが行ったアンケートと調査では、ソフトウェアライセンスの監査が増えていることが示されている)、2009年7月31日)。

 このため、契約条件に違反し、自社を危うい立場に立たせることのないよう、契約範囲を超えて使用されていたり、契約期間が終了しているソフトウェアがないことを常に確かめておく必要がある。これにより、ベンダーに対するライセンス上の義務を果たすことができ、高額な違約金や重い処罰が科されるような事態を避けることが可能になるわけである。こういったことは、ポリシーを規定し、システム環境がそういったポリシーから逸脱していないかどうかを常に監視し、ソフトウェア監査の際には遵守状況の記録を提供できるようなITAMソリューションを導入することで実現できるようになるはずだ。

#4:環境に優しく--簡単なことだ

 エネルギーの浪費は、金銭の浪費でもある。このため、企業は組織内に展開しているインフラすべてに対して電源管理ポリシーの策定や実施、強制を行おうと苦心している。その反面、ほとんどのコンピュータは、稼働時間のうちの20%未満しか利用されていない。今日では、ほとんどのコンピュータにさまざまな電源管理機能が搭載されているものの、ほとんどのIT部門はこういった機能を利用してカーボンフットプリントやコストの管理を行ううえでのリソースを持ち合わせておらず、そういった管理プロセスを自動化するようなこともできていない。

 強力な電源管理ツールを使用することで、コストやエネルギーの節約を実現し、その成果をマネジメント層に報告できるようになる。また、ユーザーの作業パターンやニーズに合わせた詳細な電源管理ポリシーの設定、配備も容易になる。さらに、「スリープ解除」機能を搭載したツールを用いることで、定時以降にアップデートやパッチを適用する際、あるいはその他の保守作業を行う際に、マシンの電源を入れっぱなしにしておかなくても済むようになる。電源管理をしっかり行うことによって、環境と企業の双方にメリットがもたらされるわけである:エネルギー消費の削減は環境にとって望ましいことであり、コストの削減は企業損益にとって望ましいことであるはずだ。

#5:ソフトウェアや機器の不正使用を防止する

 データの漏洩やプライバシーの侵害は、企業に大きなダメージを与えかねない。にもかかわらず、企業は外部からの脅威にばかり取り組んでおり、リムーバブル機器の普及などによって生み出される内部からの脅威に備えることを忘れてしまっている。機密情報(企業の財務データや顧客データなど)を紛失した場合、その対応に多大な費用を要することになる。効果的な機器管理ソリューションを導入して、適切なポリシーを定義し、権限のない機器を使用できないようにしておくことで、機密情報の社外漏洩を防止することが可能になる。

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