中国は米国時間3月30日、Googleが中国語での検索結果を検閲することを拒否したのを受けた一連の騒動において、中国本土のインターネットユーザーがあらゆる検索クエリでGoogle検索を利用できないようにするための措置を新たに講じてきた可能性がある。
いわゆる「万里のファイアウォール」(Great Firewall of China)の内側にいる中国のインターネットユーザーは、政治的に問題視されているトピックとは何ら関連のない一般的な検索も含め、あらゆる種類のGoogleの検索を利用できなくなっていたことが、複数の報道で伝えられている。これは、検閲に関する規制をかわすため、Googleの中国語での検索エンジンを香港へ移すことに決定した際、Googleの経営陣が常に起こり得ると覚悟していた究極の対応とされていた。
しかしながら、ブラウザのツールバーからならばGoogleの検索を利用できたとGuardianは報じており、遮断措置は完全なものではない可能性もある。
Googleによる先週の決定後における中国側の最初の動きとしては、携帯電話向けサービスの部分的な遮断がある。また、中国政府は、同国メディア各社に対し、Googleの決定について報道する際には政府の方針に従うように命じたとされている。
米国太平洋夏時間午前10時37分更新:Googleは30日に声明を出し、同社で検索パラメータに調整を加えた際、万里のファイアウォールで遮断される典型的なサイトであるRadio Free AsiaのURLに似たコードが検索URL内部に挿入されるようになっていたことを明らかにした。同社の声明は、以下のようになっている。
中国内の多くのユーザーは、30日からGoogle.com.hkの検索へとアクセスできなくなっている。このアクセス遮断は、Googleによって加えられた変更が引き金となったようである。この24時間の間で、「gs_rfai」が検索パラメータの一部としてGoogle検索のURLで世界的に表示され始めた。これは、検索クエリに関する情報をGoogleに送信する文字列で、最高の検索結果を表示できるようにすること目的としていた。このパラメータが文字列「rfa」を含んでいたことから、万里のファイアウォールが検索をRadio Free Asiaで関連づけていた。Radio Free Asiaは中国において長い間アクセス不能となっているサービスなため、アクセス遮断が発生した。われわれは現在、この問題の解決法を探っているところである。
米国太平洋夏時間午後4時4分更新:Googleによる先の声明は早すぎたようだ。同社は報道機関に対して30日午後に配信した改訂後の声明で、検索パラメータの変更は先週実施したものであり、30日に起きた変化は、万里のファイアウォールフィルタリング自体によるものだと述べた。
Googleは声明で、「この問題をより詳しく調査した結果、このパラメータを追加したのは実際には1週間前だったことが明らかになった。そのため、Google.com.hkの遮断に関して今日発生した事柄はすべて、万里のファイアウォール側での変更が原因だったにちがいない」と述べ、「しかし、興味深いことに、中国における弊社の検索トラフィックは現在、正常に戻っている。われわれ側で何も変更していないにもかかわらずである。何が起きているのか引き続き監視を続けるつもりだが、ひとまずこの問題は解決した模様だ」と語った。
Googleの今回の動きは、その対応以上に多くの疑問を投げかけることになったと言っても良いだろう。Googleが自分で加えた変更のタイミングを知らないのはどうしてだろうか。万里のファイアウォールの管理者がファイアウォール側に調整を加えたのだろうか。Googleは適切、不適切なトラフィックを選別するために万里のファイアウォールの管理者とどれだけ緊密に連携しているのだろうか。
明らかなのは、これまでにも指摘されたように、Googleと中国は相互疑念が支配する新しい時代に突入したということだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ