Parallelsは、Appleユーザーが「Mac OS X」と同時に「Windows」を稼働できるようにする製品で最もよく知られている企業だが、自社の仮想化技術の有効な活用方法をもう1つ、見つけたもようだ。
同社は、「Windows XP」から「Windows 7」へのアップグレードという、時には骨の折れる作業を、仮想化を利用して容易にすることを目的とする製品を、ひそかに開発しているという情報を米CNETは入手した。既存マシンをWindows 7にアップグレードする場合と、新しいPCを購入する場合のどちらにも対応する予定のこの新製品は、仮想化を利用することにより、古いプログラムが新しいOS上で円滑に実行できるようにする。
ある情報筋によると、同製品はまもなく発表され、数週間のうちに提供される予定であるという。
仮想化は、OSをあるバージョンから別のバージョンへと移行する場合や、複数のOSを同時に稼働させる場合に、OS間の移行を容易化するための主要な技術として登場した。その関心は、企業側がほとんどであり、仮想化を利用することで企業はコストを大幅に削減することができる。
仮想化そのものに興味を示す消費者は、一部のヘビーユーザーだけだが、Parallelsによる初めてのWindows on Macプログラムのように、特定の問題が仮想化によって解決されると、メインストリームであっても同技術に関心を寄せることがある。そして、Parallelsはもう1つ興味深い特定分野を発見したのかもしれない。
Windowsには、新しいWindows 7搭載PCへとデータを移行するためのツール「Windows Easy Transfer」が存在するが、この機能は、アプリケーションの再インストールを必要とする。LapLinkは、プログラムとデータの両方を移行する製品を既に市場に提供しているが、プログラム自体がWindows 7との互換性を持たない場合には対応していない。
Parallelsの競合相手であるVMwareは、Windows 7への移行を、仮想化の利点を企業に売り込むための機会として利用している。
VMwareの製品マーケティングディレクターを務めるRaj Mallempati氏は今週、インタビューにおいて、「これは、顧客に仮想化を検討してもらうための促進剤であり、主要なきっかけとなる重要な引き金だ」と述べた。企業側の観点からは、仮想化により企業は、移行コストを半減できると、Mallempati氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ