ITに携わっているすべての人々(営業担当者や技術担当者、ベンダー、コンサルタント、ギークも含めて)が、プロセス単体での限界を認識し、ITの成功についての以下の3つの事実を理解する必要がある。
- 価値の創出が成功を決定付ける。一般に信じられていることとは異なるが、納期に間に合わない、あるいは予算を超過したプロジェクトであっても、組織に十分な価値をもたらすことができれば大きな成功を収めたと言えるはずだ。とは言うものの、組織はまず、該当プロジェクトが重要である理由を明確にするとともに、そのことを関係者全員に理解してもらう必要がある。
- 協調が欠かせない。本質的に、部門をまたがったイニシアティブの発揮には、IT部門とその他の部門との間の積極的な情報共有やコミュニケーションが必要となる。言葉にされていない期待を管理するということは、プロジェクトの利害関係者が異なる部門に所属しており、成功の定義がまちまちである場合に、特に困難なものとなる。
- 一番大切なのは人である。「IT部門と業務部門の連携」は使い古された言葉であるものの、一貫性のある体系的なコミュニケーションは欠かせない。成功を手にできるチームは、意見の対立を解消できない状況と、意見の相違が存在していることを否定する状況という双子の悪魔(関連英文記事)を避けるために、意見の異なる複数の利害関係者の観点を活発に交換する方法を見つけ出すわけである。
筆者の意見:IT分野において成功と失敗を分ける要因の解明に携わっているAsuretにおける筆者の経験から言えば、人と協力、連携、価値の創造が成否の鍵を握っているということは明らかである。
なお、関連記事として「Rethinking IT and business transformation success」(ITと業務変革の成功について再考する)を読んでいただきたい。
本記事で採り上げているITプロジェクト成功のための3つの秘訣はシンプルなもののように思えるかもしれない。しかし、企業向けソフトウェアのほぼすべての分野において成功率が上がっていないという事実に目を向けた場合、やるべきことはまだまだ多く残されていると言えるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ