新日鉄ソリューションズは4月21日、東京都内に、今後、同社が提供するクラウドサービスの中核的な拠点となる新データセンターを建設すると発表した。総投資額は120億円程度となる見込みで、サービス開始は2012年初頭を予定している。
同社では、「ITの高密度化への対応」と「グリーン(環境負荷軽減)」をクラウドコンピューティング時代に求められるデータセンターの不可欠な課題と捉え、これらに対応した新データセンターを建設することにより、利便性の高い地域において最先端のファシリティと運用サービスを提供するとしている。構築、運用には新日鉄グループの持つ知見を活用し、特にデータセンターのエネルギー効率を示す指標である「PUE」値については1.4以下を実現するとしている。また安全性、信頼性、可用性においてもトップレベルの環境を提供するという。
新データセンター建設の立地については、まだ具体的には公表されていないが、東京都内、都心からのアクセスに優れた地域になるという。また、建物の規模は、1300ラックに相当する延床面積1万平方メートル規模を計画しており、太陽光発電、LED照明、屋上や壁面の緑化、雨水利用など、省エネ施策を最大活用したものになるとしている。また、停電発生時でも空調を含め72時間連続稼動できる信頼性、可用性の高い設備構成や熱気流モデルを用いたシミュレーションに基づく最適化設計、制御が特徴だという。セキュリティ面では、7段階のセキュリティレベル設定とレベルごとのアクセス制御に加えて、ICカードと生体認証、金属探知機、共連れ防止などを実現する最新機器を採用するとしている。
設計、施工は新日鉄エンジニアリングが担当し、グリーン電力の調達をはじめとする環境負荷軽減の取り組みについても連携して進めていくとしている。