ヴイエムウェアとセールスフォース、クラウド分野で提携--Java対応「VMforce」を提供へ

文:Stephen Shankland(CNET News) 翻訳校正:緒方亮、高森郁哉

2010-04-28 10:43

 コンピューティング業界では比較的新しい2社が、インターネット上での汎用クラウドコンピューティングサービスに向かうトレンドから利益を得るため、提携を発表した。

 EMCの子会社であるVMwareは、複数のOSを同じコンピュータ上で同時に実行させ、運用の柔軟性向上を図る仮想化技術を専門としている。もう1社のSalesforce.comは、顧客関係管理(CRM)のオンラインサービスを自社の顧客に提供している。両社は今回の提携のもと、Javaアプリケーションを実行するクラウドベースのサービス「VMforce」を提供する予定だ。

 具体的には、VMforceは将来、VMwareの「SpringSource」ツールと技術で作成されたプログラムを「tc Server」上で実行できるようにする。tc Serverとは、Javaプログラムをサーバ上で実行する「Apache Tomcat」プロジェクトの1バージョンだ。VMforceは2010年中に開発者プレビューの形で利用可能になる予定で、その時点で価格も発表する、と両社は述べた。

 顧客が独自のプログラムを実行できる汎用基盤であるクラウドコンピューティングには多種多様な応用例があるが、今回発表されたサービスもその1例だ。Salesforce.comは以前、そうしたクラウド型サービス向けに、Javaに似た言語「Apex」を提供していた。

 VMforceと競合するサービスには、Googleの「App Engine」やMicrosoftの「Azure」などがある。App Engineは今やJavaプログラムを実行できるようになった。AzureはクラウドベースのWindowsサーバであり、顧客はクラウド環境で独自のプログラムを実行できる。

 これらとは別に、クラウドコンピューティング分野で主流の1つとなっているのが、より高いアプリケーションのレベルで運用するタイプで、Salesforce.comが構築済みの状態で提供するCRMや、「Google Docs」などの例がある。さらに第3のタイプとして、低レベルのコンピューティングリソースをインターネット経由で利用可能にするサービスがあり、その代表例は「Amazon Web Services」だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

  2. セキュリティ

    情報セキュリティに対する懸念を解消、「ISMS認証」取得の検討から審査当日までのTo Doリスト

  3. 運用管理

    IT管理者ほど見落としがちな「Chrome」設定--ニーズに沿った更新制御も可能に

  4. セキュリティ

    シャドーITも見逃さない!複雑化する企業資産をさまざまな脅威から守る新たなアプローチ「EASM」とは

  5. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]