Microsoftのクラウドホスティングサービスに対してよくいわれる批判の1つに、オンライン/ホスティング版の提供がオンプレミス版よりも何カ月も遅れて提供される点が挙げられる。提供時期の違いがそれほど気にならないとしても、オンライン版でオンプレミス版と同じ最新機能が利用できるようになるまで、何カ月も間が開くこともある。
だがMicrosoftは今回、CRM製品の次期版「Dynamics CRM 5」でこのパターンを破るつもりのようだ。
2010年4月、MicrosoftはCRM 5のオンプレミス版とオンライン版は2010年中に提供すると述べた。だが、どちらを先に提供するのかについては触れなかった。
Directions on Microsoftのアナリスト、Rob Helm氏が米国時間5月5日付けで公開したTwitterメッセージによると、オンライン版の「CRM 5 Online」をオンプレミス版より先に提供するとMicrosoftは述べているという。
両製品とも同じコードベース上に構築されているが、CRM 5 Onlineは2010年中に提供を目指す一方で、オンプレミス版の提供は2011年以降になりそうだ、とHelm氏は言う。
この情報について、Microsoftの代表者に確認してみたところ、以下が現時点で言えることすべてとのことだ:「CRM 5は2010年後半にOnlineを32カ国・41言語で提供し、その後オンプレミス版を提供する」。
(つまり、オンプレミス版がいつ提供されるのかについては明言していない)。
「『Exchange Server 2010』はベータ版となり、顧客に提供する前に教育機関向けの電子メールサービス『Live@edu』で利用している。だが、Microsoftが商用のホスティングサービスをオンプレミス版の前に運用開始するのは、わたしが知る限りCRM 5が初めてだ」とHelm氏は述べた。
「Microsoftのクラウド戦略にとって、これは興味深いステップといえる。MicrosoftがSalesforce.comとの競争に真剣になってきたことの兆候ともいえるだろう」(Helm氏)。
Microsoftはパートナー企業に対し、自社オンラインウェア(CRM Online、「SharePoint Online」「Office Communications Online」「Business Productivity Online Suite」など)の展開を進めるように伝えているという話を聞く。特に小・中規模企業顧客向けの売り込みでは、積極的にプッシュするよう奨励しているとのことだ。この先、増えつつあるMicrosoftのクラウドウェアの全てで、オンライン版が先に提供されるようになるのだろうか?
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ