HTMLワーキンググループのエディター、イアン・ヒクソン氏が語る--「HTML 5」の現状 - (page 2)

文:Justin James(TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子

2010-05-18 07:00

--数年前、アクセシビリティの問題がHTML 5のメーリングリストで大きな争点とり、その後で争点はMicrodataやRDFa、その他の拡張メカニズムに移ったと記憶しています。まだ大きな争点にはなっていないものの、HTML 5において今後、意見の分かれそうな議題はあるでしょうか?

Hickson氏:「意見の分かれる議題」のほとんどは、内輪ネタと言ってもよいくらいの、標準化における瑣末な問題です。分かりやすい例を挙げると、最も長らく議論の的となっている未解決の問題にHTMLのバージョニングモデル(どちらかと言えば、バージョニングモデルを組み入れるかどうかという問題)と、「link」要素の「rel」属性の値を登録する手続きがあります。「現実世界の」ウェブページとの格闘を「現場で」毎日のように繰り広げているグループと、リサーチや研究に従事し、長年に渡って標準化に取り組んできているグループとの間で文化的な衝突が起こることで、この種の問題に対する議論が何年にも渡って続いているのです。実際のところ、こういった衝突こそが、そもそもHTML 5の開発のきっかけとなった要因の1つなのです。

--ビデオタグの状況には、多くの人々がかなりの混乱を感じています。ビデオタグの現在の位置付け、そしてどのブラウザでもビデオタグを動作させるようにするための方法について教えていただけますか?人々の話を聞く限り、ビデオ機能はHTML 5で最も期待されている機能の1つとなっています。

Hickson氏:現時点では新たに提供できる情報があるとは言えません。どのコーデックを採用するのかという点について、ブラウザベンダー間で意見が分かれているのです。何も変わっていません。

--HTML 5におけるアクセシビリティが議論の的となっています。アクセシビリティに関しては現在、どうなっていますか?開発者がHTML 5を用いてアクセシビリティの高いアプリケーションを作成する方法について、特に新しいRIA機能について教えていただけますか?

Hickson氏:アクセシビリティはある意味において、国際化やセキュリティ、パフォーマンスといったものとよく似ています。つまり、最初からアーキテクチャとして設計されているわけです。HTMLのほとんどの新機能は、HTMLの今までの機能と同様に、仕様で規定されている通りに用いるだけで、完全なアクセシビリティを備えたドキュメントやアプリケーションを作成できるものとなるはずです。

--同種の話として、MicrodataやRDFaといった拡張機能やテクノロジについて、どうなっているか教えていただけませんか?

Hickson氏:MicrodataやRDFaも開発が続けられています。

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