「Courier」が中止、“マイクロソフトのジョブズ”ことジェイ・アラード氏の今後は?

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:末岡洋子 2010年05月25日 07時00分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 数週間前、Microsoftが公式に「Courier」タブレット計画を中止したことを認めた後、わたしの元に多く寄せられる質問がある--「では、J Allard氏の次のプロジェクトは?」だ。

 2009年秋に情報筋から得た情報によると、Allard氏はデュアル画面タブレットのCourierを統括しているとのことだった。Courierはインキュベーション段階まで進んだが、最高経営責任者(CEO)のSteve Ballmer氏らは最終的に、同プロジェクトを停止するという判断を下した(Microsoftでは、製品になる可能性という点ではインキュベーションはリサーチよりも高い。だが、インキュベーションは商用化が約束されているわけではない)。

 この1カ月、わたしはAllard氏の近況を調べようとしている。かなり信頼できる情報筋の1人は、Allard氏は休暇中であり、そのままMicrosoftに戻ることはないのではないかと言う。Allard氏の名前はまだMicrosoftの社員名簿にあるようだ。Microsoftのウェブサイト上にある略歴でAllard氏はエンターテインメント&デバイス部門、最高エクスペリエンス責任者(CXO)兼最高技術責任者(CTO)という肩書きを持つが、これも変わっていない。

 うわさによると、Allard氏はCourierプロジェクト中止という判断に満足しておらず、Microsoftを辞めるというおどしをついに実行した(Allard氏はよくこの手段を使っていたのだろうか)ようだ(別の人によると、Ballmer氏とAllard氏はCourierの可能性について意見が食い違い、結局はBallmer氏がAllard氏を追い出したという)。

 Microsoftにコメントを求めたところ、以下のような返事だった:「『うわさや憶測』に関してはコメントしない」(わたしはAllard氏が休暇中なのかについて追加情報を求めたのだが、Microsoftは「これ以上言うことはない」とのことだった)。

 だが米国時間5月18日、Microsoftのウェブサイトで、Allard氏ではないある人物の略歴が変更された。これまでゲーム・Xbox製品グループ担当コーポレートバイスプレジデントとして紹介されていたTodd Holmdahl氏の肩書きが、インタラクティブエンターテインメント事業部インキュベーション担当コーポレートバイスプレジデントに変更されたのだ。以下がHolmdahl氏の新しい職務に関する説明だ。

Holmdahlはインタラクティブエンターテインメント事業部のインキュベーションチーム責任者として最新技術、最新のコンシューマーエクスペリエンス、最新のビジネスモデルの開拓を統括する。社内および社外のパートナー企業と協力して、将来のインタラクティブエンターテインメントシナリオに関する計画、スコープ、プロトタイプを進める。

 Holmdahl氏の新しい履歴によると同氏は、「Xboxブランドを創始した1人」であり、「現在開発が進んでいる『Project Natal』チームの主要なリクルーターでもある」という。

 Holmdahl氏の肩書き変更は、6月前半に開催される「E3」でMicrosoftがProject Natalを披露する前に準備を進めているだけと見ることもできる。だが、Holmdahl氏をAllard氏の代役としてポジショニングしようとする狙いもあるのではないか?

 数人の知り合いに、MicrosoftがAllard氏の後継となるようなエンターテインメント&デバイスでクリエイティブの取り組みを率いる人物を探しているのか聞いてみたが、知っている人はいないようだった。ある内部者はAllard氏の現在の状況や計画を直接知らないと述べた後で、以下のような情報をくれた。

Allard氏はXboxの鍵を握る人物で、Courierのように組織として立ち上げてイノベーションを推進してきた。型にはまらない考え方を積極的に取り入れ、本社キャンパス外で最高機密に取り組んできた。機能だけではなく、デザインの重要性を理解しているという点で、(AppleのCEO、Steve)Jobs氏に少し似た存在だった。こういった事情から、もしAllard氏がMicrosoftを離れることになれば、重要なデザイン唱道者とイノベーターをMicrosoftは失うことになる。

 Allard氏は「Zune」以来新しいローンチに姿を見せていない(とわたしは記憶する)し、インタビューにも応じておらず、注目から外れている。Allard氏の名前が最後に出てきたのは、Allard氏がオレゴン州ポートランドベースのアウトドア関連のThe Clymbの取締役に参加したという4月14日付けのニュースだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連キーワード
経営

関連ホワイトペーパー

連載

CIO
シェアリングエコノミーの衝撃
デジタル“失敗学”
コンサルティング現場のカラクリ
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「展望2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
エンドポイントセキュリティの4つの「基礎」
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
ネットワークセキュリティの要諦
セキュリティの論点
スペシャル
エンタープライズAIの隆盛
インシュアテックで変わる保険業界
顧客は勝手に育たない--MAツール導入の心得
「ひとり情シス」の本当のところ
ざっくり解決!SNS担当者お悩み相談室
生産性向上に効くビジネスITツール最前線
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell Technologies World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]