シスコ、光ネットワーク技術のCoreOpticsを買収へ

文:Matthew Broersma(ZDNet UK) 翻訳校正:中村智恵子、福岡洋一

2010-05-24 12:45

 Cisco Systemsは米国時間5月20日、株式非公開企業CoreOpticsを買収することで合意したと発表した。CoreOpticsは、クラウドコンピューティングの普及によって生じると予想されるIPトラフィックの急増に通信事業者が対応しやすくすることを目的とした、光ネットワーク技術のメーカーだ。

 CoreOpticsのデジタル信号処理技術は、伝送効率を高めることにより、サービスプロバイダがコストを低く抑えつつIPネットワークを拡大できるようにすることを目的としていると、Ciscoは20日に発表した声明で述べている。

 リサーチによると2008年から2013年にIPトラフィックは5倍に増加し、年平均成長率は40%になる、とCiscoは説明している。トラフィック増の主要な原因は、クラウドコンピューティング、動画、携帯アプリケーションの増加だ。

 CoreOpticsの手がける技術は、デジタルアプリケーションに合わせた集積回路と変調フォーマットの設計、光ネットワークのシステム、アプリケーション、およびアーキテクチャだ。

 CoreOpticsの変調およびデジタル信号処理技術により、通信事業者は既存の光ファイバインフラストラクチャを使って大量のデータをさらに効率よく伝送できるようになる、とCiscoは述べた。

 「われわれは、ルーティング、スイッチング、光伝送システムにおける業界屈指の製品を取りそろえ、提供していくことに力を注ぐ。顧客のサービスプロバイダはこれを利用することによって、限られた資本と運営のための予算を管理しつつネットワークトラフィックの目を見張るような増大に対処するという、常に変わることなく存在するビジネス上の課題にうまく対応できるようになる」と、Ciscoのサービスプロバイダアクセスおよび伝送技術グループでゼネラルマネージャーを務めるSurya Panditi氏は、声明の中で述べている。

 CoreOpticsはカリフォルニア州サンノゼに拠点を置いているが、大半の従業員はドイツのニュルンベルクとゲーリンゲンで勤務している。Ciscoはヨーロッパでの光ネットワーク事業をイタリアのモンツァで展開しており、今回の買収ではこの事業を拡張する予定だという。

 CoreOpticsの従業員はCiscoのサービスプロバイダ技術グループに加わり、モンツァのエンジニアリングチームのほか、インドのバンガロール、米国テキサス州のリチャードソンで働くことになる、とCiscoは述べた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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